あなたは、「仕事ができるようになりたい」と思ったことがありますか?
でも、「仕事ができる」とはいったい何を指すのでしょう。プレゼンがうまいこと? 英語がペラペラなこと? AIを駆使すること? ……残念ながら、これらはすべて「仕事ができる人」の条件ではありません。では、何をすれば「仕事ができる人」になれるのでしょうか? 3万人を分析して「できる人側」になる絶対ルールをまとめた書籍『仕事ができる人の頭のなか』著者の木暮太一氏に伺いました。
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やる気が出ない時、どうする?
「最近、なんかやる気が出ないな……」
そう感じることもあるでしょう。月曜の朝、長期プロジェクトの中盤、上司に指摘されたあとの午後など、やる気が出ないを通り越して、「仕事が嫌」「会社に行きたくない」と思う人もいると思います。サラリーマン時代のぼくが、まさにそうでした。
やる気が出ないこと自体は、別に悪いことではありません。問題は、その状態が何日も続いて、結局なにも進まないまま時間だけが過ぎていくことです。
ぼくも新入社員の時は本当に仕事が嫌いで、毎日鬱々としていました。自分でもいろいろ悩んできた結果、「やる気を出そう」とすること自体が間違いだということに気づきました。
ポイントは「気持ち」ではなく「言葉」を変えることにあります。言葉を変えることで、自分の行動を変え、そして自分の気持ちを変えていくのです。
今回の記事では、すぐに使える5つの対処法をお伝えします。
1. 「やらなきゃ」を「何をするか」に変換する
仕事に気分が乗っていない時、頭の中には「企画書やらなきゃ」「あの件、対応しなきゃ」という残務がたくさんあります。それを思い出すだけでも嫌な気持ちになりますね。そして余計にやる気をなくします。
でも、この「やらなきゃ」の状態は、じつは何も言語化されていない状態です。何をやるのかが明確でないから、脳が状況を把握できず、動き出せないのです。
たとえば「企画書やらなきゃ」を、「企画書の目的を一行で書く」に変えてみる。たったこれだけで、対象が明確になります。人間の脳は、曖昧な指示に対してはフリーズしますが、具体的な行動指示に対しては素直に反応できるようにできています。
「やらなきゃ」と思った瞬間に、「たとえば何をするか?」を言葉にしてみてください。メールを1通返すだけでもいい。ファイルを開くだけでもいい。それだけで驚くほど手が動き始めます。
2. ゴールではなく「5分だけ」に焦点を当てる
やる気が出ない時に、最終ゴールを見つめるのは逆効果です。「来月末までにこのプロジェクトを完成させる」なんて考えたら、余計に動けなくなって当然です。遠すぎるゴールを意識して「やらなきゃ」と思っても、足は前に出ません。
ここで効くのは「5分だけやる」というルールです。そして「5分間だけやる」ために、タスクを5分でできることの塊に分解していきます。
これをすることのメリットは2つです。
①やるべきことのハードルが下がる
②タスクを分解することで、自分の頭のなかが整理される
漠然と「プロジェクトを完成させる」と考えても、何から手をつければいいのかわかりませんし、そもそも何をすればいいのかがわかりません。
分解すればやるべきことが見えてきます。「プロジェクトの完成」が最終ゴールだとしたら、「そのために、たとえば何をする?」と自問してみてください。
3. 「なんのために」を言葉にする
5分ルールを試してもまだ動けない場合は、もっと根本的な問題があるかもしれません。その仕事を「なんのためにやるのか」が自分の中で言語化できていない可能性があります。つまり、意義を感じられていないからやる気が出ない、わけです。
目の前のタスクが、自分にとってどんな意味を持つのか。この作業の先に何があるのか。それが見えていないと、人はどうしても動けません。「上司に言われたからやる」では、やる気が出ないのは当然のことです。
そういう時は、意義を言語化しなおします。
「この仕事は、誰に貢献するものなのか?」
「この経験をした自分としていない自分は3年後にどんな変化が出るだろうか?」
を自問してみてください。
答えは大そうなものでなくていいんです。
「これができたら次の案件を任せてもらえるかもしれない」
「チームメンバーの負荷が少し減る」
「副業をするためのスキルが一つ増える」
そのようなものでも、「何のために」が見つかれば、人はそれだけでかなり動けるようになります。
4. 環境を「言語化」で整える
やる気が出ない時、「気合いを入れよう」「モチベーションを上げよう」と考える人が多い。でも、気合いはもっとも頼りにならないエネルギー源です。今日出せた気合いが、明日も出せる保証はどこにもありません。代わりに頼るべきは「環境」です。
ぼくがオススメしているのは、1日の終わりに「明日やることを3つ書き出す」です。やる気がない時こそ、1日の終わりにこれをした方がいい。
これをすることのメリットも2つあります。
① 翌日、仕事始めに迷わなくて済む。
② 翌日まで仕事のことを忘れられる。
会社を出た後は、頭を切り替えて仕事のことは忘れてください。でも、実際に忘れてしまうと翌朝出社した時にもう一度頭のなかで仕事を組み立て直さなければいけなくなります。自分が思っている以上に、これは脳に負荷をかけてしまう。
だから「明日やること」を書き出しておく、そしてスパッと頭を切り替えて仕事を忘れる。これをお勧めします。
5. 「やる気がない自分」を否定しないでください
最後に、一番大事なことをお伝えします。やる気が出ない自分を責めないでください。「なんで自分はこんなにダメなんだ」「他の人はちゃんとやっているのに」と思えば思うほど、やる気はさらに低下していきます。自己否定をすればするほど、行動が止まってしまいます。
ここでも言葉を変えてみましょう。「やる気がないのはダメだ」「モチベーション高めなきゃ」ではなく、「うん、自分はそんな日もあるんですよ」と認めるんです。別の言い方をするならば「開き直り」です。
認めてしまえば、自分の中でも片が付き、自分の中で考えることがなくなります。これはとても有効な言葉の使い方なので、ぜひ実践してみてください。自分自身から非難を受けることがなくなります。
結局、やる気の問題のほとんどは「気持ち」の問題ではなく「言語化」の問題です。やるべき最初の一歩を特定させる、目的を自分の言葉で捉え直すなど、明確に捉えることができれば、「やる気」に頼らなくても、仕事は確実に前に進みます。
(本記事は、『仕事ができる人の頭のなか』に関連した書き下ろし記事です)







