資料は中身がすべてだと思っていないだろうか。時間をかけて内容を作り込みながら、タイトルは「営業報告」「会議用資料」と、なんとなくで済ませてしまう。実はその時点で、「読まれる人」と「読み飛ばされる人」の差がついているかもしれない。815社・17万3000人の働き方を分析してきた専門家・越川慎司氏によれば、職場で評価されている人たちは、資料のタイトルのつけ方に明確なルールを持っているという。
では、その差はどこにあるのか。同氏の著書『会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)から、評価された人の60%以上が実践していた「タイトルづけの習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

頭のいい人が資料の「タイトルに必ず書いている」3つのこととは?Photo: Adobe Stock

資料のタイトルを「なんとなく」でつけてはいけない

 資料は中身が大事。

 そう思って、タイトルは後回しにしていないだろうか。

「営業報告」
「会議用資料」

 とりあえず内容がわかればいいと、曖昧な名前をつけてしまう人は多い。

 しかし、その「なんとなく」が、評価の差を生んでいる可能性がある。

評価されている人たちの「タイトルづけのルール」

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、職場での評価が高い人たちの共通点を次のように紹介している。

期待されている人たちが作った資料の60%以上が、タイトルに「目的・対象・日付」が書かれていたのです。
一般社員で実践している人の割合は10%未満でした。

たとえば、期待されている人たちはスライドの1枚目にこう書いています。

● 対象:経営会議用(役員向け・15分想定)
● 目的:方向性の確認

これらがあるだけで、会議の進行がスムーズになります。

――『会社から期待されている人の習慣115』より

 資料のタイトルに、「目的・対象・日付」を書く。

 資料を見る側は、忙しい。

 だからこそ、「考えなくても理解できる状態」をつくっていたのだ。

 この習慣の効果について、越川氏はこう明かしている。

実際、会議データを解析したところ、読むべき人と目的が冒頭で明示された資料は閲覧率が90%以上であることがわかりました。
逆に、これらが明示されていない資料は読み飛ばされる確率が28%であることも判明しています。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 タイトルの時点で、「誰に」「何のための資料か」がわかる。

 それだけで、読まれる確率は大きく変わるのである。

 相手の時間を奪わないための見えない配慮を積み重ねられるかどうか。

 その差が、評価の差として現れていくのである。

信頼は「習慣」から作られる

 同書ではこの他にも、

 ・重要な仕事は「午前中」にやる
 ・「集中時間」を周囲に宣言する
 ・他部署の人を誘ってランチにいく
 ・「書きかけの資料」を社内で共有する
 ・疲れ方に合わせて休み方を使い分ける

 といった、職場で信頼され、チャンスを手にした人たちの意外な共通点を多数紹介している。

「現状を変えたい」と願う人は、知っておいて損はないだろう。

(本稿は、越川慎司著『会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。