自動車交通が増える一方で
鉄道利用者は減少の一途

 とはいえ、鉄道利用率は高くない。前掲資料の経路別利用者数を見ると、1988年の瀬戸大橋開通前後で鉄道利用者は約427万人(宇高連絡船利用)から約1100万人(本四備讃線利用)に増えたが、1990年代末から減少が続き、2024年は約712万人だ。

 一方で大きく増加したのが自動車交通だ。瀬戸大橋こそ鉄道道路併用橋だが、1998年開通の明石海峡大橋、1999年開通のしまなみ海道は道路専用であり、自動車交通は40年で3.5倍に増加した。自家用車だけでなく、本四間を運行する高速バスも2025年10月時点で1日あたり270往復(その8割が対関西、2割弱が対中国)ほど設定されており、その中にはJR四国グループが運行するバスも含まれる。

 もっとも、交流人口がコロナ前の水準に戻りつつある中、以前は350往復以上あったバス便数はドライバー不足の顕在化で戻っていない。自家用車利用者と比較して高速バス利用者は四国内の移動に鉄道を利用しやすい。共同運行拡大、路線の整理統合、鉄道との連携拡大を進め、公共交通の周遊性を高めることで利用率、利用頻度を向上させる余地はあるだろう。

 インバウンドも交流人口の一部である。こちらはさらに人数が少ないが、単価は高く、さまざまな事業への波及効果が期待できるため、各地域・各事業者とも取り込みに躍起になっている。

 現状、四国のインバウンド需要は限定的だ。2025年の都道府県別外国人延べ宿泊者数は香川県の112万人(19位)が最多で、愛媛県が58万人(26位)、徳島県が23万人(41位)、高知県はわずか14万人(45位)だ。人口規模や面積が異なるので単純比較はできないが、東北や中国地方と並び、インバウンドの寄与が小さい地域である。

図2地域別の外国人延べ宿泊者数推移(観光庁宿泊旅行統計調査より筆者が作成) 拡大画像表示