韓国人旅行者の増加率が
全国トップの徳島県

 そこで四国では、2009年に運輸事業者や旅行会社、自治体の官民一体で設立され、2019年に国の観光地域づくり法人(DMO)に登録された「一般社団法人四国ツーリズム創造機構」を中心に、国内外の観光需要を開拓している。JR四国は機構と協力し、コンテンツや旅行商品、企画乗車券を開発しており、各種フリーきっぷは好調だという。

 象徴的な成果は韓国人旅行者の開拓だ。コロナ前の延べ宿泊者数(4県合計)は2018年の約12.5万人が最多だったが、2023年に約13.4万人で過去最高を記録し、さらにその後、2024年に約30.4万人、2025年には約42.2万人にまで達した。徳島県は2018年比で約13倍、愛媛県は約5倍で、増加率はそれぞれ全国1、2位である。筆者が高松を訪れた際も韓国人旅行者を何組も見かけた。

 担当者に今後の展望を聞くと、今年度以降は東南アジア、特にシンガポール、タイ、そして消費単価が大きく、滞在が長い欧米にも注力していきたいという。インバウンドでは後発組の四国であるが、四国の多様な文化のファンになり、深く体験してもらえる層をひとつずつ発掘していく。

 しかしながら、交流人口だけでは鉄道は維持できない。居住人口が減少する中、地域公共交通としてどのように維持するのか、日常的な鉄道利用の増収を論じなければならない。

 地域は鉄道をどのように捉えているのか。JR四国が沿線地域住民に対して行ったアンケート調査によれば、多くの路線で6割程度が「公共交通に関して高い重要性」を認識しているが、7割程度がJRを利用しないと回答している。

 これは厳しい現実の表れであると同時に、可能性も示している。居住人口という母数は減っても、これまで鉄道を利用しなかった人を振り向かせ、利用率・利用頻度を高めれば延べの利用者を増やせるからだ。

 アンケートは「現在はJRを利用しているが今後減る/利用しなくなる」「現在JRを利用しておらず、今後も利用する予定はない」とした人に「どういった状況になればJRを利用してもらえるか」を尋ねているが、その回答は「今より便数が増える」「今より運賃・料金が安くなる」というものが多かった。