和田 それが認められた。
ちば そういう人全員にくださった勲章だと思っています。私はたまたま長生きしていたから「ちばさん代表でもらいに来なさい」って言われたんですよ。
和田 漫画とアニメは今の日本では数少なくなった“世界に勝てる製品”です。海外の人がお金を払って見てくださるのは、それだけの価値があるからです。
ちば 本当にありがたいですね。日本では20~30年前まで「漫画は悪書」だと叩かれていたんです。子供が勉強しなくなるから読んじゃダメってね。手塚治虫さんが性教育をわかりやすく漫画に描いた時も、大阪のPTAのお母さんたちから抗議行動を起こされたことがありました。『ふしぎなメルモ』って漫画がね、他のエロ本とかエロ写真とかと一緒に山に積んで燃やされたんですよ。
和田 焚書事件ですね。
ちば 私はもう本当に悔しくてね。泣いた記憶があるんです。それが今では「漫画は日本の文化として認めていいんじゃないか」と勲章までいただいて。本当にありがたいですよ。
和田 ちば先生たちが築き上げてきた世界です。
ちば 受章した時、「ありがとう。手塚さんたちの代わりに私がお受けしましたよ」って天に向かって報告しました。それは聞こえたと思います。
欠点もあれば長所もある
人間は本当に面白い
和田 『ビッグコミック』で今も連載をされていますよね。すごいなあ。
ちば まだやっているんですよ。大したページ数でもないんですけど一応ね。「ちばさんにカラーを4ページあげるよ」って好きに描かせてもらってます。
和田 どれくらいの時間をかけるんですか?
ちば 時間はあんまり考えませんね。なんとなく気が向いたら描くという感じで。
和田 ちば先生の絵って端から端まで細かいですよね。僕は映画を撮るのですが、映画監督も細部を気にしない人と画面の端の小道具まで気にする人がいるんです。それと、ちば先生の絵は視点も面白い。例えば食堂でみんなが並んで食べているのを上からの視点で描いたりする。映画監督みたいだなって思います。







