ちば 漫画はみんなそうじゃないですかね。上から俯瞰したり、下からあおったり。私も昔からたくさん映画を見て、ずいぶん勉強になっていますからね。

和田 キャラクターの話は先ほど伺いましたが、やはり体験から来るんでしょうね。

ちば 本当にね、今まで付き合った人、みんなそうですよね。「こいつは気に入らない」とか「なんか難しいやつだなあ」と思っても、よく話してみると、そいつの言っていることは「なるほど、だからそういうふうに思うのか」って、よくわかるんですよね。みんなクセはあるし、そのクセが合わなかったりすることはあるけどね。みんな欠点を持っているし長所も持っている。本当に人間っていうのは面白いなと思いますね。

人の良い面と悪い面に気付ければ
人間関係のストレスは減るはず

和田 僕は精神科の医者ですが、患者さんによく話すんです。「相手にはいい面も悪い面もある」ということに気づくと少し人間関係が楽になりますよって。ちば先生のように人を多面的に見られると、人間関係のストレスが減るんじゃないですか。

ちば そうですね。ちょっと話し込むとだいたいわかるんですよね。「あ、この人はこういう性格なんだろうなあ。ちょっと短気だけど、こういうところは長所なんだろうな」って。そういうのが見えてくるので仲よくなれちゃう。

書影『80歳の壁を超えた人たち』(和田秀樹・幻冬舎)『80歳の壁を超えた人たち』(和田秀樹・幻冬舎)

和田 いいですね。

ちば 人との関係で、プレッシャーとかストレスをあんまり感じたことはないです。

和田 夫婦でも、例えば夫が定年退職してずっとふたりきりになると、悪いところばかりを見るようになって、関係が悪化するケースがあります。本当はいいところもたくさんあるはずなんですが。

ちば どんどん悪いふうに回ってしまうのは、悲しいなあ。そうなってしまう人もいるんだろうけど、そうならないほうがお互いの幸せのためにはいいね。

和田 ちば先生はやっぱり優しいですね。そういう柔軟な暮らし方、考え方をしているから長生きできるのだと思います。