たとえば、私は1週間に1回くらい京都の夕景色の写真を撮ります。それをFacebookに載せると「きれいです」というコメントが100件ぐらいつきます。空は私たちの頭の上にいつだってあるものですが、みんな、空なんて見ていないわけです。
YouTubeで次々と好きな動画を見つけてインプットするのもいいですが、ふと空を見上げるだけで、驚くほど美しい夕日を目にすることができます。そのことが、思いがけず人生を振り返るきっかけになったりするかもしれません。これも、ブリコラージュが呼び込む偶然性といえます。
体は頭よりも
ずっと賢い
ブリコラージュといっても、私は電気や水道、インターネットなど便利なライフラインは否定しません。良いものや便利なものはもちろん利用していいのです。しかし、人間はどうしても過剰に便利さを求め、資本主義やコマーシャリズムに欲望を刺激されてしまいます。
最新のスマホやタブレットでなくともネットやメールは十分に見られます。「豊かな生活でないとダメ」といった資本主義的な考えに引きずられず、「便利さを一回断ち切ってみよう」というのが、想定外の時代にふさわしい学びではないかと思うのです。
これからは、「頭の学び」より「体の学び」がとても重要になります。
地球科学を研究していると、生物は頭よりも体に知恵が詰まっていると感じます。迷ったときは体の声を聞いたほうが、生存確率はずっと上がるのです。
『想定外を楽しむ』(鎌田浩毅、幻冬舎)
人の体をコントロールしているのは、意識が1割で無意識が9割だといわれています。わざわざ「呼吸しよう」「消化しよう」と意識しなくても、体はちゃんと働いてくれます。だから私は「体は頭よりもずっと賢い」と感じています。
今まで私たちは頭の中でも特に左脳を使い、論理的な勉強をしてきました。しかし、それだけだとどうしても知識や過去の成功体験に引きずられてしまいます。これからは右脳的な領域――直感やひらめき、危険を察知する感覚などを磨かなければ、災害や地震の多い超・想定外の時代を生き抜くことはできません。
こういうと壮大な話に聞こえるかもしれませんが、まずは体の調子を整えてあげればいいのです。こうした考え方は「整体」という言葉を最初に作った野口晴哉に由来します。かつて私は彼の代表作『風邪の効用』(ちくま文庫)を、『座右の古典』(ちくま文庫)、『理学博士の本棚』(角川新書)というブックガイドで詳しく解説しました。「体は頭より賢い」という事実に目覚め、自分の体に目を向ける際の参考にしてみてください。







