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過熱するばかりの関西の中学受験。灘を筆頭とする「最難関校」グループは、長く9校で固定されてきた。ところが近年、高槻をはじめとする新興の躍進によって序列が崩壊。最難関校からの“落選”が指摘されるほど落ち目になったのが古都の名門男子校、洛星だ。その洛星が2027年入試で、起死回生のための大胆な入試改革に踏み切ることが判明した。特集『わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#7では、最難関校・難関校を目指す受験生に入試戦略の大幅な修正を迫る入試改革の全貌と、洛星の狙いを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
洛星の入試改革の裏に
大阪立命館から招聘した“やり手”の存在
中学受験における西の一大市場、関西の2027年入試は大荒れ必至となる。関西における最難関校の一角で名門男子校の洛星(京都市)が、27年入試で大幅な入試改革をすることが判明したからだ。
背景にあるのは、共学化によって躍進した新興校の“突き上げ”である。中でも17年度に男子校から共学に踏み切った高槻(大阪府)はその代表格だ。地元の大阪はもちろん、京滋から兵庫まで広く通学できる地の利を生かし、難化が著しい人気校に生まれ変わった。
片や洛星はというと、古都、京都の中心市街地である「洛中」で生まれ育った生粋の京都人にとっては今も「洛星ブランド」は健在だが、関西の中学受験市場においては近年、その凋落が指摘されてきた。
その証左として、関西中学受験塾最大手の浜学園は今年度、従来の「最難関校グループ(灘・東大寺学園・洛南高校附属・西大和学園・大阪星光学院・甲陽学院・四天王寺・神戸女学院・洛星)」に、新たに高槻を加えただけでなく、ウェブサイトでの合格実績(26年入試)の掲載順において高槻を四天王寺、神戸女学院、洛星の“上”に置いた。
この状況に危機感を抱く洛星が今年4月、校長補佐として招聘したのが、大阪立命館(旧初芝立命館)で校長補佐を務め、生徒募集のやり手で知られる大西智文氏だ。その大西氏が真っ先に手を付けたのが入試改革というわけだ。
入試改革に踏み切った裏には、洛星の26年の「大学入試」の合格実績があるとみられている。
洛星は26年の京都大学の合格者数で58人と、前年から27人増加させて洛南に続く第4位。京大現役合格率では大阪のトップ公立高校、北野高校を上回る第2位。さらに国公立大学医学部の合格者数は灘の41人に次ぐ40人で第6位(関西の中高一貫校が対象)などと大躍進した。この大学合格実績を引っ提げて入試改革をすれば、ライバル校から受験生を奪取できると踏んだ、というわけだ。
そのライバル校とはどこなのか。
「洛星の新入試の中身を見ると、高槻と大阪星光を主なターゲットにしているのは間違いない」と言うのは、アップ教育企画執行役員で進学館ルータス統括の吉田努氏だ。「関西では、中高一貫校の入試概要の発表は例年5月下旬。洛星の入試改革で影響を受ける他校は、玉突きで入試要項の変更を迫られることになるだろう。これに伴って、最難関校や難関校を目指す男子の受験生を中心に、入試戦略の大きな修正が必要になる」(同)。
では、洛星の入試改革が関西中学受験の27年入試にどのような影響を及ぼすのだろうか。
次ページでは、新たな入試日や定員のみならず、加点方式などの新入試方式、戦略的に練られた合格発表日、入学手続き日までを網羅した、洛星の27年入試の全貌を公開。さらに、影響を受ける他校や新たな併願戦略を明らかにする。高槻など他の最難関校・難関校を目指す受験者はぜひ読んで、志望校選びと入試戦略に活用してほしい。







