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人生に行き詰まりを感じたとき、自分が「持っていないもの」ばかりに目を向けていないだろうか?京都大学の名物教授である筆者が、想定外の時代を生き抜くための、人生を豊かにする発想法を解説する。※本稿は、火山学者の鎌田浩毅『想定外を楽しむ』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
「素敵な偶然」を呼び込む
発想法とは?
偶然性を呼び込むために提案したいのが「ブリコラージュ、bricolage」という概念です。これはフランス語の動詞bricoler(繕う、ごまかす)に由来します。日本語にすると「あるもので済ませる」「寄せ集めて何かを作る」といった意味に近いでしょう(原語の意味は「日曜大工」です)。
ここにはフランスの文化人類学者レヴィ=ストロース(1908-2009年)による深い哲学的な思索があります。彼は、未開の地の人びとが住居や食料をすべて自然の中で調達していることに驚きました。そして名著『野生の思考』(みすず書房)の中で「ブリコラーュな生き方のほうが、西洋文明よりもずっと豊かで幸せなのではないか」と説きました。
災害や戦争が起きても、ブリコラージュな人であれば最後まで生き残る可能性が高いと考えたわけです。これは荒唐無稽な話ではありません。
日本は東日本大震災後、1000年に1度という地殻変動の時期に入り、地震や火山噴火が頻発しています。
2030年代に確実に起こると予想されている南海トラフ巨大地震がもしあれば、東京から九州までのライフラインが途絶えることもあるでしょう。ブリコラージュは今の時代にこそ必要な発想なのです。







