不動産バブルを起こした
「主犯」の意外な正体

 その結果、外国人の購入割合は数%に過ぎないうえに、転売はほとんど行っておらず、短期転売で荒稼ぎしているのは主に日本の法人だとわかった。日本の転売ヤーへの融資は弊社調べでは、信金・信組が54%、ノンバンクが38%、地銀が8%、都市銀行は0%であった(前回記事《不動産高騰は外国人のせいではありません。タワマン転売で“悪質な”バブルを生んだ「共犯者」たちの正体》)。

 幸いにも、1980年代のバブルの様に、全国で地上げやリゾート開発が行われ、不動産価格が上がっているわけではなく、今回は都心の分譲マンションで局所的に起きている。分譲マンションは本来、自宅として企図され、販売されているものである。

 金融庁と日本銀行は、金融機関が融資した詳細な貸出明細データを収集・分析する「共同データプラットフォーム」を構築し、2025年3月期から本格運用を開始している。この取り組みにより、きめ細かくモニタリングし、健全性確保と金融システム安定化の強化を目指しているので、今回の都心マンションバブルの実態を把握することが正確にできる状況にある。つまり、誰が買っていて、どこの金融機関が融資しているかが分かるということだ。

 このため、今回は都心マンションバブルを起こしている転売事業者への融資を止めればいいことは明確である。それを行う立場にいるのは、金融庁であり、2026年2月20日に共同通信に出た記事「【独自】金融庁、不動産融資増加を警告 地銀経営に懸念、不良債権化防ぐ」では「資金供給により、都市部のマンションの価格が高止まりする要因になった可能性もある」と明記されている。これはリーク記事と考えられ、すべての金融機関に対する警告であり、融資の厳格化を求めるものである。

 この口先介入の結果が出るまでに多くの時間が要さないだろう。なぜなら、金融機関は金融庁の指導に逆らうことは一切できないからである。当面、不動産売買の冬の時代が来るかもしれないが、局所的な不動産バブル退治は長い目で見れば「一時的な価格調整」の意味合いで捉えられる日も遠くないかもしれない。

 バブルを語るには知性が必要だ。知性とは、意味が分からないものに「意味づけ」をすること。歴史・経緯・環境・文脈を読み解き、過去の事例との違いを把握し、再現性のある因果関係を明らかにすることである。

 社会を安定して発展させるためには、知性によって諸問題の解決に取り組む必要がある。少なくとも、私はそうありたいと思っている。

(スタイルアクト代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)