右派政党というよりは、「陰謀論」的な考え方がベースとしてあり、極端な右派的な考え方とも相性がよいとみたほうが適切かもしれません。2025年の参院選では「日本人ファースト」というわかりやすいスローガンが浸透したこともあってか、より幅広い有権者の支持を集め、多くの議席を得ました。

 日本保守党は、2023年に作家の百田尚樹と河村たかしを共同代表として結成されました(河村は2025年10月に離党)。理念として「日本の国民と、領土・領海、国体を守る。」、綱領の第一に「日本の国体を守り、伝統文化を継承しながら、日本独自の叡智を現代に活かして協和社会をつくる。」とあるように、その主張はこれまでみてきた「右」の諸要素を網羅的に含んでいます(5*)。

 2024年の衆院選では3議席、2025年の参院選では2議席を獲得しました。中心人物の知名度や主張内容からみると、参政党よりも日本保守党のほうが右派市民の支持を得られやすいように思われ、むしろこちらに伸びしろがあるようにみていたのですが、実際には伸び悩んでいます。両党を対比させることで、有権者の支持を得るのに必要な条件がより明確にみえてくるかもしれません。

 議員レベルでみると、安倍元首相の銃撃事件を機に、旧統一教会など宗教右派とのつながりを持つ者がかなりの数に上っていたことが表面化しました。また、先の河村や大阪の維新首長など、右派ポピュリスト政治家が長く支持される地域もあります。

 しかし、国政にしても地方政治にしても、有権者がその右派的な主張にひかれて支持するという側面はさほど大きくはありません。たとえば2024年の衆院選前に実施されたNHKの世論調査によると、投票でもっとも重視することは「景気・物価高対策」38%、「社会保障制度の見直し」17%、「『政治とカネ』の問題への取り組み」11%、「外交・安全
 保障」11%と続きます(6*)。右派の思いとは裏腹に、大多数の有権者は生活の安定により強い関心があるのです。

(5*)…日本保守党「党規約と綱領」 https://hoshuto.jp/regulation/

(6*)…「衆院選2024トレンド調査(1週前)」NHK選挙WEB、2024年10月21日 
https://news.web.nhk/senkyo/shijiritsu/archive/2024/10_2.html