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「バカにされた」「侮辱された」「こちらを排除しようとしている」などと言ってキレ始める……ちょっと注意しただけで激しく反発し、親切にしても敵意を向けてくる。そんな「やたら攻撃的な人」が、あなたの職場にもいないだろうか。実はその攻撃性、あなたのせいではまったくない。「敵意帰属バイアス」と呼ばれる心のメカニズムが引き起こす、ある種の認知の歪みが原因なのだ。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

※本記事は『【新装版】かかわると面倒くさい人』(日経プレミアシリーズ)から抜粋・再編集したものです。

ちょっと注意をするとムキになって反発する人

 注意するとすぐに反発する。こっちは責めているわけではなく、「ここはまずいから修正してほしい」と言っているだけなのに、まるで自分を全否定されたかのように、ムキになって言い訳をする。

 それを聞いていると時間が無駄になるし、仕事が進まない。そうかといって言い訳を適当に遮って話を切り上げようとすると、不服そうな様子を示す。また陰で悪い噂を流されるかもしれないと思うと、憂鬱な気分になる。

 いわれのないことで反発されたり、攻撃されたりするのは、何とも厄介なことである。そういった人物とかかわるのは、ほんとうに面倒くさい。

 でも、どうしてそんなに攻撃的なのだろうか。

 じつは、やたら攻撃的な人は、「認知の歪み」といった問題を抱えていることが多い。

 ふつうの人はとくに反応しないような言葉や態度にも、いちいち感情的な反応を示し、攻撃的な態度をとったりする。なぜかと言えば、相手の言葉や態度に悪意を感じるからである。そこに認知の歪みがある。相手の言動の受け止め方が歪んでいるのだ。

からかわれて笑う人とキレる人の違い

 心理学者クリックとドッジは、社会的情報処理モデルを提唱しているが、それによれば、相手の言動のような社会的情報の処理は、次の6つの段階を経て進行する。

(1)外的および内的手がかりの符号化 (2)手がかりの解釈 (3)目標の明確化 (4)反応の検討 (5)反応決定 (6)実行