
院長たちの悪だくみ
『風、薫る』で仲間由紀恵が演じる千佳子は和泉公爵(谷田歩)の妻で、乳がんの疑いがあって入院してきた。
上等病室に入ったにもかかわらずそこが気に入らないから退院すると言いだし、病院は大慌て。
院長たちは千佳子の看病の担当者として、りんに白羽の矢を立てる。
バーンズ(エマ・ハワード)は失敗したら養成所のせいにする気だと気づいて、渋る。
だが直美(上坂樹里)は逆手にとって、うまくいけば実習生の手柄になるし、りんは元家老の娘だから、千佳子とウマが合うんじゃないかとバーンズに英語で進言する。
バーンズと直美が英語で行う悪巧みを、院長たちは理解できない。病院の4トップの誰ひとりとして英語が話せないなんてことはあるのか。ポンコツすぎないか。医学といえばドイツ語、ドイツ語ならできるけどね、みたいな感じなんだろうか。
「もう少し長くなかったか?」と多田(筒井道隆)が直美の訳を疑うのにはリアリティがあった。英語は言葉の分量が日本語より多く、それを日本語にすると短く感じることがある。通訳はかなり手短に訳してしまうので、細かい部分のニュアンスが抜けてしまうのだ。直美の場合は、相手がわからないのをいいことに嘘(うそ)の通訳をして、院長たちを欺いた。
案の定、“四天王”たちは問題が起きたら、養成所にかぶってもらえばいい、と考えていた。はたしてりんは彼らの鼻を明かすことができるだろうか。
ただ、ここで疑問。この養成学校は、捨松(多部未華子)肝いりの学校である。彼女もずいぶん偉い人のはずなのに、その威光は彼らにはまったく効かないのだろうか。
りんにとっては2人目の担当患者。ひとりめの園部(野添義弘)とは失敗して、落ち込んでいたから、今度こそうまくやって立ち直ってほしい。直美もバーンズもそういう気持ちもあるに違いない。当人もきっと、今度こそうまくやりたいと思っているだろう。
だがそうは簡単にはいかない。園部と同じく千佳子も不機嫌そうに背を向けている。
りんにいきなり「お引き取りください」と冷たい千佳子。
ふたり続けて患者に背を向けられるりんのメンタルが心配になる。だがりんはめげない。
看護婦という概念がない千佳子に、辛抱強く理解してもらおうと努める。
声はワントーン高めのよそ行きで。
まずは、きれいなシーツの敷き方を披露する。
「少しでも退屈しのぎになればなと」







