京都の人気鍼灸師で、SNSでも人気の「すきさん」(本名:鋤柄誉啓 すきから・たかあき)が書いた『メンタル養生』が発売中だ。本書は、毎日の生活の中で心が疲れたな…という人が、心身ともにラクになれる考え方とコツを紹介しており、「疲れていても気楽に読める」「現代人必携のセルフケアバイブルだと思う」など、多くの口コミが寄せられている。
同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

梅雨の時期はどうしたって不快感が増す。では、どうすれば快適に過ごせるのか?Photo: Adobe Stock

曇り空ばかりで気持ちも晴れない

 どんよりとした曇り空の下で、洗濯物を干しながら「乾かなそうだなぁ」とため息をつく。
 こんなときによく思い出すのは、遠くの地に嫁いだ友人から昔もらった手紙だ。

「こちらは曇り空ばかりで、気持ちが落ち込みます。青空が見たいです」

 慣れない土地、周りに知り合いもいない中で、商売をしている家では嫁としての仕事が多くあり大変なのだろうなと思っていたが、私に漏らしたのは「お天気」のことだった。

 私はそれに少なからず衝撃を受けた。
 そうか、天気が違うのか。

 当時会社員で朝から晩まで家を空けており、家事などほぼしなかった私は、「雨なら傘を持ち歩かねばならない」という憂鬱があるくらいであまり天気を気にしていなかった。

 しかし結婚、出産を経ていまは天気が気持ちに与える影響が大きいことを知っている。
 晴れ間が見えずジメジメとした日が続くとどうしても調子が悪くなり、気持ちも落ち込みがちだ。
 反対に、さわやかに晴れている日などには幸せな気分になれる。

湿度の高さが心と体に与える影響

 東洋医学的な見地に基づき、体を整えて「心の不調」をラクにする方法が書かれた『メンタル養生』には、「心と体は思っている以上に天気の影響を受けています」とある。

 東洋医学では、季節や気候がもたらす刺激を「外因」と呼ぶそうだ。「湿気」も外因のひとつである。
 湿度が高いと、汗が蒸発しにくく体温調節がうまくいかない。自律神経の調整が必要になり、疲れやすくなり不快感も増す。梅雨どきに頭痛や気分の落ち込みを訴える人が増えるのはそういう理由なのだという。

 では、どうしたらいいだろうか。

こういうときは、判断を先送りするとラクになります。
ですから「湿度80%の日はモヤモヤして当然」と考えて、仕事の段取りや家事のハードルを下げる。
“重だるいモード”を見越したスケジュールにすることでも救われます。

――『メンタル養生』P.163

 どんよりした梅雨の時期、心、体、頭が重だるいのは仕方のないことなのである。
 自分を責めたり無理して頑張ろうとしたりせず、「湿度が高いからなぁ」と思って予定を調整する。

他愛ない会話がモヤモヤを晴らす

 そして、「こういう日は、気持ちが落ち込むよね」と友だちに話すのもいいかもしれない。

 本書によると、人と話すことも「メンタル養生」のひとつだ。
 人と人が向かい合って話すと、胸中の「気」が交わる。東洋医学的な考え方では、心と体の変化はすべて「気」の動きによるものだ。適度に「気」が動き、巡っている状態が、メンタルが安定した状態といえる。

 会って心地よさを感じられる相手であれば、話してお互いの「気」が交換されることで、それぞれのモヤモヤを晴らしてくれるという。

「そうだね、青空が見たいね」
 そうやって言葉を交わし、他愛ないおしゃべりをするだけでも気持ちが晴れるに違いない。