日本政府を動かした
2017年「ポテチショック」
カルビーという会社は「ポテトチップス」という主力商品に関しては、過去にもピンチをチャンスに変えるような形の情報発信をしており、しかもそれは政治にも影響を与えている。つまり、今回のようなことは初めてではないのだ。
それが2017年の「ポテチショック」だ。
覚えている人も多いだろうが、このとき、ジャガイモの主産地の北海道産の調達量が前年比で約12%減る異例の状況になり、時を同じくしてカルビーとコイケヤが相次いでポテトチップスの販売中止を発表したことでそのように呼ばれた。
しかし、これはちょっと誤解があってコイケヤの商品の販売中止は以前から決まっていたことで、ジャガイモ不作で販売中止を決断したのはカルビーだけだった。コメもそうだが農作物の不作が市場に影響を与えることは、実はかなり前からわかっているので、各社は対応をしているものだ。
そんな中で、天下のカルビーが販売中止に踏み切ったということで、大きな話題になったのだが、このセンセーショナルな情報発信によって結果として、日本政府を動かすことになる。それは「米国産ジャガイモの輸入拡大」だ。
国産ジャガイモだけに依存していると、今回のように不作になったら商品の安定供給ができない。そこでカルビーは「国産ジャガイモ農家の支援」に力を入れる一方で、米国産ジャガイモの拡大にも動いていた。それが認められ、2011年には米国農務省から「米国産ジャガイモ輸入のパイオニア」として表彰されたこともある。
そんなカルビーが「国産ジャガイモが不作なので製造販売できません」と言い出して国民の関心も高まれば、政府内にも「
このあたりの背景について当時、筆者は《カルビーが叫ぶ「ポテチの危機」に見え隠れする米国の影》という記事を書いているので、ご興味のある方はお読みいただきたい。
この2017年の「ポテチショック」を受けて、ジャガイモに関しても安定供給議論が進み、2020年2月に農水省は規制緩和を行い、それまでは認められていなかった米国産のポテトチップ加工用生鮮ジャガイモの「通年輸入」を認めることになる。
カルビーは、社会に一石を投じることで議論を盛り上げて、逆境を好機へと変えたのだ。







