私たちが「スマホを見る時間」は、平均で14年以上。
そんな衝撃的な事実とともに、「時間が溶けていく毎日」から抜け出す方法を示した1冊が『脱スマホ術』です。
著者・戸田大介さんは、500万ダウンロード突破の国内No.1集中アプリの開発者。開発者だからこそ分かる、スマホが時間を溶かすメカニズムと、ダラダラを解消するための具体策を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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デフォルト設定だと、97%の人がスマホ依存に
――「ちょっとだけ動画を見るつもり」が、いつの間にかダラダラと見続けてしまうことがよくあって、この癖をどうにかしたいです。
戸田大介(以下、戸田):誰にでもあることですよね。
実際に調査してみたところ、デフォルト設定でスマホを使っている人のうち、約97%の人が、「ついスマホを見すぎてしまうことがある」と回答しています。

――ほとんどの人が当てはまるんですね。
戸田:これまでアプリ開発をしてきて、「人の行動は、本人が気づかないうちに簡単に変わってしまうんだな」ということを痛感しています。
特に動画やSNSのアプリは、「惰性で見続けてしまうようにデザインされている」部分がたくさんあります。
必ずオフにしたい「動画の自動再生」
――惰性で見続けてしまうデザイン、というのは?
戸田:たとえば、「動画の自動再生機能」です。
動画アプリは、動画が終わるとつぎの動画が勝手に再生されますよね。YouTubeであれば関連動画、Netflixであれば次のエピソード。自動再生機能があると、私たちは「次も見るかどうか」を考えることすらなく、気づいたらつぎの動画を見ています。
――いつの間にか、自分が見ようと思ったわけでもない動画を見ていて、しかもそれには終わりがない。なんだかゾッとします。
戸田:でもその問題は、一瞬で解決できます。「自動再生」機能をオフにするとよいです。
するとつぎの動画を見るためには、自分でボタンを押さなければいけなくなります。たったそれだけのことなのですが、「惰性で見続ける状態」から、「次を見るためには自分で選ぶ状態」に変わるんです。
「たった1つの設定」で毎日21分減る
――なるほど…でも、そんなちょっとした設定の変更で、本当に変わるものなんでしょうか?
戸田:変わります。たとえば、自動再生をオフにしただけで、Netflixの利用時間が1日約21分減った、という調査があるんです。Netflixだけでその時間なので、YouTubeなどのほかのサイトも合わせると、これだけで1時間近く減る人もいると思います。
多くの人は、こういう設定が自分の行動を変えていることに気づいていません。デフォルト設定で、最初からそうなっているからです。
しかし逆に言えば、私たちはこういった「人を画面に釘付けにする」デフォルト設定を変えるだけで、スマホ時間を減らすことができます。苦しい我慢などをしなくても、ただ設定を変えるだけで、自然に。
このような方法はまだまだあるので、スマホ時間を減らすことは、人が思っているよりもずっと現実的に達成できることだったりします。
一生で「14年」をスマホに使っている
戸田:平均的な人は、すくなくとも1日に5時間はスマホを見ています。もし、その状態が一生続いた場合、人生で約14年もの時間をスマホを見る計算になります。
――14年…かなり衝撃的な数字です。
戸田:でも逆に言えば、それだけたくさんの時間を、自分のために使える余地がある、ということでもあります。前述のような方法で、私たちはスマホ時間を減らし、自分の好きな時間をつくることができるので。
スマホは毎日触れるものなので、積み重ねた時間は膨大になります。ゼロにする必要はまったくありませんが、ちょっとした設定や対策で、「また見てしまった」と後悔する時間を充実した時間に変えられ、それがこのさき何十年も積み重なっていきます。
もしスマホにお悩みでしたら、ぜひお試しいただけたら嬉しいです。
(この記事は、『脱スマホ術 ──「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者戸田大介氏へのインタビューです)








