毎日の衣食住に「血圧を下げる習慣」を実装しようPhoto:PIXTA

 毎年5月17日は「高血圧の日」だ。日本高血圧学会では近年、「適切な血圧管理の社会実装」を提唱してさまざまなキャンペーンを行っている。普段の生活の衣食住に降圧習慣を実装することで、いつの間にか血圧が整う環境づくりを目指すものだ。「食」に実装したい降圧習慣はおなじみの“減塩”にプラス、“カリウム”の摂取だ。

 日本の食文化は総じて塩分が高い。食塩の主成分であるナトリウムの血中濃度が上昇すると、身体は血中ナトリウム濃度を一定に薄めようと体液(水分)量を増やす。その結果、血液量が増え、血管壁を内側から押す圧力=血圧が上昇してしまう。

 一方のカリウムは、ナトリウムの排せつを促して体液量のバランスを取る働きがある。過剰なナトリウム分をうまく相殺してくれるわけだ。

 減塩が難しい人は発想を変えて「増カリ」を目指そう。毎日果物を食べる、付け合わせの野菜を残さない、1日3杯以上はカリウムを多く含む日本茶、コーヒー、紅茶を飲むなどを実装するといい。「住」は自宅と生活圏の二つで考えよう。自宅では快適な寝室環境づくりがポイント。早朝の急激な血圧上昇「モーニングサージ」は、寒い寝室で起きやすいことが解っているからだ。寝室の室温は年間を通して18度以上が望ましい。冬場は暖かい布団のなかで手足を動かしてからゆっくり起きよう。

 生活圏では「キオスク血圧測定」を実装したい。スポーツジムやドラッグストア、公共施設に設置されたアームイン式の自動血圧測定計を利用したセルフ管理で、130mmHg(上の血圧値)未満を目標とするのだ。街角のありとあらゆる血圧計に腕を突っ込んでみると「この場所では、なぜか血圧が異常に高くなる」など面白いデータが取れるかもしれない。

 キオスク血圧測定の際に重要なのは「衣」だ。アームイン式は計測する側の二の腕までをむき出しにする必要があるが、この際、腕まくりがきつすぎると正確な値を測れない。厚手の上着やセーターは片袖だけでも脱いで測定しよう。ワイシャツ1枚程度なら、むしろ着衣のまま測定したほうが正しい数値を測ることができる。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)