「腎臓」が体のなかでどんな働きをしているか、すぐに答えられる人は多くないのではないでしょうか。じつは腎臓は体内環境が常に一定のバランスに保たれるように調整してくれる、大切な機能を持った臓器であるといいます。腎臓の機能と、それを維持するために効果的な方法について、最新の研究結果の一部を根来秀行さんの著書『100年はたらく腎臓をつくる!「腎トレ」ウォーキング』(青春出版社)から抜粋して紹介します。
腎臓はあなたの体の「縁の下の力持ち」
あなたは自分の腎臓がどこにあるのか、わかりますか?
そもそも日常生活のなかで、腎臓を意識したことがありますか?
腎臓は、背中側の腰より少し上にある、左右2つの臓器です。大きさは握りこぶし大で、1つ150gほどの重さの、そら豆のような形をしています。
胃や腸のように痛みを感じることもほとんどない、不調があっても自覚することもほとんどない。便秘や下痢、胃のムカつきやもたれを話題にすることはあっても、腎臓関連の症状については、まず話題にされません。胃腸のように、内視鏡でダイレクトに見ることもできません(ちなみに腎臓の様子を正しく知るには、画像検査や血液検査、尿検査の他、詳細には腎生検といって、全身麻酔をして腎臓の組織を採取する必要があります)。
裏を返せば、快調のときもわかりにくい。それゆえに、普段は注目されることが少ない地味な臓器ともいえます。