Olympic買収が意味するもの

 さてOlympicの店舗が集中する首都圏は、多くの小売業にとって極めて魅力的な市場だ。1都3県の関東圏には、国土のわずか3.6%の広さに約3700万人、つまり日本人口の約3割が密集している。

 しかし現在、首都圏では建築費や地価の高騰によって、新たに食品スーパーやドラッグストアを出店できる場所そのものが急速に減少している。

 今回の新業態「ロビン・フッド」は食品強化型フォーマットとなっており、買収したOlympicは住宅地立地でありながら、中型サイズと駐車場を兼ね備えた店舗が多い。

 こうした立地は、現在PPIHが進める食品強化型ドンキ「ロビン・フッド」と親和性が高いのだ。つまり今回のOlympic買収は、単に約120店舗を取得しただけではない。

 むしろPPIHは、「これから首都圏で新規開発が難しくなる日常商圏立地」を、Olympicの業態切り替えも視野に入れることにより、一気に取得したと言える。

 その為、1店舗あたり約2億円という取得価格に対し、業界関係者から今回の買収は、株式交換によるM&Aで、PPIHは保有する自己株をオリンピックの株主に割り当てられることもあって、「驚安」との声が上がった。当然のことながら、他のスーパーものどから手が出るほど魅力的な立地を手にいれたのだ。

 今後、「ロビン・フッド」がこの人口密集地にあるオリンピックの非食品の売り場のテコ入れをするならば、売り上げは好調に伸びると予想される。

ドンキの強み「宝探し」から大転換…スーパー業界が震撼する、新業態「ロビン・フッド」のビックリな仕掛けPPIHがユニー統合以降に進めてきた“生活商圏化”の流れ。PPIH2021年総合レポートから作成
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