世界の富裕層たちが日本を訪れる最大の目的になっている「美食」。彼らが次に向かうのは、大都市ではなく「地方」だ。いま、土地の文化と食材が融合した“ローカルガストロノミー”が、世界から熱視線を集めている。話題の書『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著)から、抜粋・再編集し、日本におけるガストロノミーツーリズム最前線を解説。いま注目されているお店やエリアを紹介していきます。

全8皿すべて「米」!? 新潟の田んぼのど真ん中に国際級フレンチがある理由Photo: Adobe Stock

お米の可能性に、衝撃を受ける驚きのレストラン

 前回、こちらで「新潟ガストロノミーアワード」が生まれるまでの経緯を紹介しました。
 この、新潟ガストロノミーアワードが誕生し、県の食のレベルが底上げされたことで、面白い店がどんどん発掘されています。

 そこで、国際級になるのも時間次第だと、私が今注目している店を、ひとつ取り上げて紹介しましょう。新潟県ならではの食材にフォーカスしている店です。

 それは、お米の可能性をフレンチの技法で追究している、糸魚川市の「mûrir(ミュリール)です。
 遠くに山々と海を見渡せ、田んぼが続く里山の真ん中にぽつんと佇んでいます。オープンしたのは2023年。シェフの渡辺光実(みつのり)さんは、新潟の兼業農家に生まれ、東京・帝国ホテルのメインダイニングで修業を積んだ後、Uターンしてきました。

 私がいただいた8皿のすべてに米が使われており、米はソースになったり、焼いたり、稲穂を揚げたりと、表現の仕方にこんな可能性があるものなのかと、驚きの連続でした。最後は、土鍋で炊いた、ふっくらとしたご飯を佃煮と一緒にいただき、もう一種類のお米を焼きおにぎりに。日本人でよかったとしみじみ感じる、まさに米づくしの料理でした。

『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか?』では、上記で紹介した「mûrir(ミュリール)」以外にも新潟県で外せない注目店を多数紹介しています。

※本記事は、『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著・ダイヤモンド社刊)より、抜粋・編集したものです。この記事の情報は、本書の発売時のものになります。