・パターン2
仕事にも満足しておらず、関係性も希薄で、意向が読み取れない人

【背景】
 このタイプの部下は、業務への不満や、周囲との希薄な関係性から、「どうせ言っても変わらない」という諦めの状態に陥っている場合があります。自己効力感も低く、意見を言う土台が整っていないことが特徴です。

【関わり方のポイント】
 まずは丁寧に相互理解を深めるところから始める必要があります。

「どんなときに“この仕事をやっていてよかった”と思えるのか」「過去に手応えを感じた経験は何か」こうした問いを通して、本人の価値観や成功体験を掘り起こし、「何があれば意欲が戻るのか」を見つけていきます。そのうえで、リーダーの側から「期待」を明確に伝えることも重要です。

「上司に意見を言わない部下」が心の底に隠しているホンネ部下の心を動かすリーダーがやっていること』(アスコム、上林周平著、税込1760円)
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「あなたのこうした強みが、チームにとってとても価値がある」といったメッセージは、相手に自己効力感を取り戻すきっかけになります。

 また、傾聴の中に「存在承認」「変化承認」「結果承認」を織り交ぜることで、「自分は見られている」「認められている」という感覚が育ち、意見を言う心理的な土台が整っていきます。

 さらに、業務の課題や不便さなど「改善ポイント」から話を始めると、本人の問題意識が引き出され、それを入口に「どうなっていたいか」という未来像を描きやすくなります。

 意見が出ない背景には、能力の問題よりも、「言える状態ではない」「言っても無駄だと思っている」という「環境要因」が大きく関与していると私は考えます。

 だからこそ、リーダーは、
・価値観を起点に話せる土台
・期待や承認を通じて自己効力感を育てる関係性
・課題や違和感を安心して言える空気
の3つを整えていくことが重要だと考えています。

 これらがそろったとき、部下は自然と自分の意見を持ち始めるようになります。

 意見とは、押し出させるものではなく、引き出される環境があってこそ生まれるものということを忘れないようにしてみてください。