約9割が「財布なしでコンビニへ行ける」
“財布キャンセル界隈”の特徴

 さらに、財布そのものを持たない層も一般化している、と渡辺氏は話す。株式会社ジェーシービーが行った調査(*2)によると86.8%が「財布を持たずにコンビニへ行ける」と回答している。

(*2)…調査対象:全国20~50代男女1035名/2025年11月

「ヴィトンの長財布」より「100均ポーチ」!?若者から50代以上まで“財布キャンセル界隈”が広がるワケスーパーやファストフード店に行く際には3人に1人、職場へも5人に1人が財布は不要と回答。駐車場や無人サービスなどでもキャッシュレス決済が広まり「現金を使わない生活」が送りやすくなった点も、ミニマル派の増加につながっているという グラフ提供=株式会社ジェーシービー
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「財布を持たない、あるいは100均のポーチを財布にするライフスタイルは若者を中心に広がっています。しかし近年は、50代以上でも財布を持たない人が増加傾向にあり、特定の性別・年代への偏りはなくなりつつありますね」

 財布キャンセル界隈が広がった背景は3つ。ひとつは冒頭でも触れたキャッシュレス決済の普及だ。

「コロナ禍に感染症対策として非接触・非対面の行動が求められたのをきっかけに、キャッシュレス決済を使う機会が一気に増えました。それまで懐疑的だった人も実際に使用して利便性や衛生面の安心感を体験し、キャッシュレス決済が特別な選択肢ではなくなったのです」

 また、無人店舗やセルフレジなどの業態でキャッシュレス決済を導入する企業も増加。深刻化する人材不足の対応策にもなっている。

「2つ目は、スマホ決済の普及です。クレジットカードのタッチ決済やコード決済を使用できる環境が整い、財布が不要になるシーンも多くあります。人によっては『現金しか使えないこと』に不便さを感じて、キャッシュレス決済未対応の店やサービスを利用しないケースもあるようです」

 3つ目は「消費者の価値観の変化(時短・ストレス回避)」にあると、渡辺氏は指摘する。

「会計時のレジ待ちや小銭のやり取りは、わずかな時間でもストレスを感じます。コンビニやバスなどの交通機関といった、利用頻度の高い日常消費ほど、支払いが早く終わるメリットを感じやすい。そうした場面で、キャッシュレス決済が『時間を無駄にしない消費行動』と認識されるようになったと考えられます」