キャッシュレス市場が拡大しても
長財布を使っている人の共通点

 財布を持たない人が増えている現代でも、ブランドものの長財布や、実用性重視の財布を使用している人には共通する「こだわり」があるそう。

「彼らは財布に、現金やクレジットカード、マイナンバーカードなど生活に必要なものを“すべて1つに収納できる安心感”を求めている印象です。また、上質な革財布なら長く使い込んで育てていく楽しみもありますよね」

 また、現金主義派は、長く使ってきた慣れに加えて、システム障害に左右されずに、どんなお店でも確実に使える現金ならではの強みを重視している傾向があるという。

 キャッシュレス決済の登場によって多様化する財布。今後は、どのような方向に進むのだろうか?

「現在、注目を集めているのが、顔や指紋などの生体認証で支払いをする『手ぶら決済』です。少しずつサービスの導入がはじまっており、財布キャンセル界隈を中心に定着する可能性があります。一方で、鉄道会社ではJCBなどのクレジットカードによるタッチ決済乗車サービスを開始するなど、新たな広がりを見せています。私は、利便性の観点からスマホをかざすだけでクレジットカードの支払いができるタッチ決済をよく利用しますが、こんなふうに個人の好みに合わせて“財布”を選ぶ時代になるでしょうね」

 貨幣は、金属から紙、紙から電子へと形を変えつづけている。貨幣と深く関わる財布も、さらなる進化を遂げていきそうだ。

<プロフィール>
消費経済アナリスト
渡辺広明(わたなべ・ひろあき)氏
コンビニ店長をキャリアのスタートに、バイヤーやメーカーのマーケターとして780品以上の商品開発に携わる。その経験から、消費者目線の現場とデータを掛け算した分かりやすいニュース解説が好評を博し、メディアを中心に報道からバラエティまで幅広く活躍中。