長く続けること自体を否定しているわけではありません。努力して、必要とされて、チームに貢献できるなら立派なことです。
ただ、年齢とともに体は必ず変わる。頭で分かっていても、細胞は若い頃と同じではない。その事実を見ないまま「まだやれる」と言うのは違う。
田中将大投手のように大きな実績を残した選手でも、年齢による変化からは逃れられない。数字を一つ達成したかどうかだけで騒ぐのではなく、今の力でチームに何をもたらせるのかを冷静に見なければいけない。
若い選手も同じです。ベテランの名前に遠慮していてはいけない。私が巨人にいた頃、控えの選手はどうやってレギュラーを引きずり下ろすかを考えていたものです。
控えの選手は、誰かがケガをしたら自分が出ていくという気概を持っていた。プロはそうでなければならないと思います。
――衰えを受け入れた後の「引き際」やセカンドキャリアについて、球界はどうあるべきでしょうか。
選手は、できる間は野球をやればいい。しかし、できなくなった後のことを誰も教えていない。そこに問題があります。
今度は、自分が教える側に回るのです。「自分は素質があって活躍できたからよかった」と言って終わるんじゃない。
だから、球団は選手を辞めさせるだけではいけない。現役を退いた人間に何を教えるのか、次の人生でどう生きていくのかを学ぶ場を作るべきです。これは本人だけの問題ではなく、コミッショナーや球団経営者にも責任があると思います。
野球しか知らずに来た人間に、野球が終わった後の生き方を教える。そこまで含めて、プロ野球界は選手を育てなければならないのです。
次回記事《94歳の名将・広岡達朗が見抜いた「絶対に伸びない人」の残念すぎる特徴》は5月28日(木)8時15分に公開されます。







