コンテナ輸送量だけでは
世界景気を見誤る

 さて、GDPとコンテナ輸送量の関係をみるときに気を付けなければいけない点が2つあります。

 1つは、GDPが財(モノ)に対する支出だけではなく、サービスへの支出も含んでいることです。たとえば、米国では2024年の実質GDP成長率は2.8%となりました。しかしアジアから米国に向けたコンテナ輸送量は前年比プラス18.2%に上り、増加を説明しきれていない部分が残っています。

 コンテナ輸送量が影響を受けるのは財に対する需要のみです。GDPの成長率がサービスへの需要を含む分、どうしても両者の関係は希薄化されます。

 もう1つ気を付けなければいけないのは、コンテナ輸送のインバランス(貨物輸送量の差)の問題です。米国からアジアなど荷物の少ない方面(方向)の航路では、インバランスを埋めるためにリサイクル品などさまざまな貨物を集荷して積むため、何がどれだけ輸送されるかに、モノ需要以外の要因が関係してきます。そのためこれらの方面では、輸送量とGDPの間の相関が弱まる傾向があるのです。

コンテナ輸送量は
為替や消費まで映し出す

 コンテナ輸送量は国際貿易の変化に影響を受けることから、為替レートとも関係を持ちます。たとえば円安ドル高が進行したとき、米国発貨物は国内産品と比べて価格面での訴求力が低下します。そのため、コンテナ荷動き量は減少すると予測されるのです(パナマ運河の通航料もドルで支払いをするため、そうした影響も出てきます)。

 また、モノの需要に関連してくるのは、主に消費動向であり、これがコンテナ輸送の動向にも大きく関わってきます。モノに対する需要を知りたい場合は、GDPのうち、消費の部分だけを取り出してみてみたり、小売売上高の動向を参照したりする場合があります。米国向けのコンテナ輸送においては、NRF(全米小売業協会)が小売関連の米国輸入コンテナ量の半年先までの予測を発表しており、これを多くの実務者が参考指標として用いています。