新たに定義された
「2035年にありたい姿」

 以上を踏まえて中計2030を見ていこう。同社は前中計2022とあわせ、「10年後(2032年)に実現したい未来」を定めた「長期ビジョン2032」を策定したが、新中計にあたり「2035年にありたい姿」を新たに定義した。

 実現したい未来では「安全、安心で、人と地球にやさしい交通」「人々が行きかう、いきいきとしたまち」「一人ひとりにやさしく便利で豊かなくらし」「持続可能な社会」という理念的な内容だった。

 それが「2035年」では「リアルとデジタルの融合により、安全、良質でサステナブルなモビリティを通じて実現する『人と人をつなぐ』移動、生活サービスが創り出す『人の心が動く』体験、そしてインフラソリューションの進化によって築く『人、まち、社会を支える』基盤を価値として提供します」として、下記の数値目標を設定した。

【社会的価値】
・人の移動の活性化(鉄道事業輸送人キロの増加)
・まちの活動量増(拠点エリアの来街者数×エリア滞在時間の増加)
・GHG(温室効果ガス)排出量60%減

【経済的価値】
・営業利益3000億円
・エンゲージメントスコア(※)向上
※社員が「私たちの志」に共感し、誇り、やりがいをもって働いている状態を調査・測定

 同社の決算セグメントは前述のように、モビリティ業、流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業、その他の五つに分かれているが、中計の「重点分野」はこれとは異なり、さらに2025と2030で区分けが変わっている。さらに、個別の目標には決算セグメントも用いられるので、比較は注意が必要だ。

 具体的には2025では運輸、流通(物販・飲食)、ホテル、旅行を「モビリティサービス分野」、不動産、SC、地域・まちづくり、デジタル戦略、新規事業を「ライフデザイン分野」と分類していた。

 2030では運輸を「モビリティ分野」、流通(物販・飲食)、不動産、決済、旅行を「生活サービス分野」、技術ソリューション、JCLaaS(インフラサービスのプラットフォーム)の受注・外販を「インフラソリューション分野」に再編した。

図3中期経営計画2030より抜粋 拡大画像表示