りそなグループとの
資本業務提携に注目
中計2030の基本方針は、モビリティ分野では「安全、良質でサステナブルなモビリティへの変革」、生活サービス・インフラソリューション分野では「事業ポートフォリオの変革」を定めている。
モビリティ分野は将来にわたる安全・サービスの維持向上を図るとした。モビリティ分野の営業利益は2025年度の1178億円から2030年度に950億円、生活サービス・インフラソリューション分野は802億円から1350億円で、後者の割合を40%程度から60%程度に拡大する。
モビリティ分野の営業利益は当面、インフレなどによるコスト増で減益となるが、CX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)向上・技術革新によるモビリティの持続的進化で回復を目指すとしている。もうひとつカギを握るのが運賃改定だ。
JR東日本は今年3月に会社発足以来初となる運賃改定を実施した。これに対してJR西日本は、現時点では運賃改定の条件(総括原価方式における「赤字」)を満たしておらず実施できないと説明してきたが、急激な費用増を吸収しきれなくなっている。
中期経営計画2030を元に作成 拡大画像表示
また、ホームドア整備、地震対策など安全投資、国鉄時代・JR初期に製造された車両の大量更新が控えており、減価償却費の大幅増も見込まれるため、中計期間内で運賃値上げを実施したい考えだ。
生活サービス・インフラソリューション分野を牽引するのは不動産業だ。首都圏・福岡・海外を重点エリアに定め、アセットタイプを賃貸レジデンス・オフィスに絞り込むことで、流動性の高い物件ポートフォリオを構築。また、回転型ビジネスを拡大し、REIT(不動産投資信託)資産規模を2025年度実績の470億円から2035年度の2000億円を目指す。
まちづくりでは今後、JR西日本沿線及び首都圏、海外で分譲マンション・賃貸レジデンス、オフィスが多数開業予定で、2030年度の不動産セグメント営業利益を2025年度比500億円増の850億円に拡大する。
注目は5月1日に発表された、りそなグループとの資本業務提携だ。JR西日本は関西みらい銀行の株式20%をりそなホールディングスから900億円で取得。これにより関西みらい銀行はJR西日本の持ち分法適用会社となる。
JR西日本プレスリリースより抜粋 拡大画像表示
同社は2027年度に銀行代理業に参入し、関西みらい銀行を所属銀行とする「WESTERミライバンク」を設立し、鉄道・生活サービスと連携した商品を開発・提供する。JR東日本と楽天銀行が展開する「JRE BANK」と異なるのは、関西の営業地盤とリアルな店舗網を重視した点だ。
住宅ローンなど大きな金額が動く取引は、ネットで完結とはなかなかいかない。顧客とのリアルな接点こそが、不動産・まちづくり事業における協業にも欠かせないとの判断だ。
もちろんそれだけではない。JR西日本とりそなグループが8対2の比率で出資して決済合弁会社を設立し、J-WESTカード、ICOCA、Wesmo!などJR西日本が展開する決済サービスを移管予定という。中計期間内というよりは、2030年代に向けた取り組みになるが、今後に注目したい。







