写真は「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」より写真は「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」より

沖縄県辺野古沖で小型船が転覆し、研修旅行中だった同志社国際高校の生徒と船長が死亡した。国土交通省と内閣府は、死亡した金井創船長(71)を海上運送法違反の疑いで刑事告発した(5月22日)。亡くなった高校2年生の武石知華さん(17)の遺族は「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」というnoteで情報発信を続けている。遺族の許可を得て、全文を転載する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

普天間高校との交流会
2026年5月31日 22:37

 同志社国際高校の過去の文集を確認する限り、沖縄研修旅行において、かろうじて多角的な視点を提供していたのは、過去に実施されていた普天間高校の生徒との交流プログラムだった。

 2015年3月の旅行まで、計7回の実施では、主に3日目、ホテルで一緒に夕食をとり、出し物を披露し、グループディスカッションを行うというものだった。その7年間(手元には6年分の資料のみ)で、基地の近くで暮らす同世代から、挙げきれないほどの様々な意見を聞いたことが残っている。

「基地はなくなって欲しい。」
「基地があることに賛成か反対かで聞かれると答えが難しい。」
「基地がなくなったら、困る人も多い。」
「騒音は本当に困る。」
「騒音は気にしたこともない。」
「基地がここからなくなればいいというものでも無い。移設先の人がどう思うか。」
「クラスの中にも親が基地で働いている人がたくさんいる。」
「米兵のことを怖いと感じるし、事件もあるし、迷惑。」
「基地の人は優しいし、お祭りにも行く。怖いと思ったことはない。」
「交流会に向けて準備する時くらいしか、基地のことを考えない。」

 これ以外にも、わずかだが国防についてや反対運動に対する意見などもある。同じ沖縄に住む高校生でも、意見はこれだけ多様だった。

 これを受けて、同志社国際高校の生徒はこのような感想を残している。

「事前学習で聞いた話と全然違う。」
「基地反対を唱えるだけでは解決しない。」
「基地があることが日常として当たり前に受け入れていることに衝撃と責任を感じた。」
「基地に反対しないのは、戦争を体験していない世代だからかも。」

 などなど、こちらも多様な反応がある。

 今まで学習してきた内容や、ニュースで聞いていたこと、思い込んできたことと違う観点からの意見を聞いた衝撃が感想文から感じ取れる。事実、感想文の多くがこの交流プログラムに触れていたことが、その意義を示している。

 ところが、このプログラムは、2015年3月を最後に、縮小されていく。