
夕凪の記事が新聞に載った
「人柱」も『ばけばけ』でも出てきたワード。その名のごとく、城や橋をつくるために、人間が人柱として捧げ物という犠牲になっていた。
取材を断ったため、夕凪(セツ)を助ける手立ては途絶えた。「どうすることが助けることになるんだろう」とりんと直美(上坂樹里)は考える。ふたりの手前で花びらがちらほら舞っている。ほんとにかすかではあるが、こういうのがあるのとないのとでは画面から受ける印象がまったく違う。花びらは劇伴(BGM)と同じような効果がある。
悩んでいるうち、新聞に女郎の心中未遂の記事が掲載された。名前は夕顔と変わっているが、品川の遊郭の女郎であると書かれていて、読む人が読めばすぐに夕凪のことだとわかる書きっぷりだった。
綿貫には口止めしたうえ、名前も伏せて話したのに、なぜ。
文屋(新聞記者)なんて義理人情のないものなのかもしれない。
新聞はたちまち、病院の経営陣の目にも留まり、りんたちは副院長・渡辺(森田甘路)に呼び出され、情報漏洩の疑いをかけられる。
もし情報を外部に漏らしていたら辞めさせられる。嘘(うそ)が得意な直美は無関係だと言い張る。りんはそれを黙って聞いている。
「心中を図った女郎に長く入院されるのは、外聞がよくないからね。早いとこ出て行ってもらいたいところですが」
副院長は病院編のはじまったときに1回出てきたきり、久々の登場だ。第一印象もよくなかったが、再登場でも、院長やほかの医者たちと同じく、あからさまに意地悪そうな雰囲気。
いい感じの人がひとりもいないこの病院だが、梅岡看護婦養成所の卒業後の進路がここ。りんたちが卒業したら、このままここに就職できるように、バーンズ(エマ・ハワード)が根回ししているところで、バーンズ的には余計な問題を起こしてほしくない。
「あなたたちは看護婦です」
つまり、看護が目的であって、遊女の人生にまで手を出すことはないということだろう。
夕顔の記事はいったい誰が書かせたのか。まず、卯三郎(坂東彌十郎)を疑うりん。
だが卯三郎は、この記事はりんから聞いた話より、ずっと心を動かされるものになっていると褒める。
それをまたこっそりカーテンの後ろで聞いていたのが、シマケンだ。







