寿司ロボットの代表格といえば、鈴茂器工(SUZUMO)です。同社は1981年に世界初の寿司ロボットを開発し、現在は世界90カ国以上で機器を展開しています。シャリ玉を均一に成形するシャリ玉ロボットや、のり巻きロボット、酢飯の酢合わせ機など、多彩な製品群で寿司産業の大量生産を支えています。

 さらにトップ(SUSHI TOP)は、超小型握り寿司マシン「TSM-13」を開発し、限られた店舗スペースでも高精度な握りを再現できる機種として注目を集めています。

 これらのロボット技術は、回転寿司チェーンや大規模なセントラルキッチンだけでなく、イベントや海外の店舗でも活用されており、寿司の提供を人の手だけに頼らない仕組みとして実現しました。もはや寿司ロボットは裏方の存在ではなく、寿司を世界に広めるための重要なインフラになっているといえるでしょう。

 海外では、こうした流れがさらに加速しています。欧米や東南アジアでは寿司人気が高まる一方で、職人不足や技術格差が深刻な課題になっています。そのため、現地ではロボットを導入した半自動型の寿司店舗が次々と誕生しています。北米では、シャリ成形や巻き寿司を自動化した店舗が多数存在し、アジアでもフランチャイズ展開において機械化が不可欠になっています。ある業界誌では「寿司ロボットなしに回転寿司の海外展開は成立しなかった」とまで言われています。

 一方、高級寿司店では、依然として職人の存在感が大きいものの、現地での技術継承や食文化の違いへの対応が求められます。魚種の違いや衛生基準、現地人材の育成といった課題を考えると、寿司の世界も人とテクノロジーの協働を避けて通れません。結果として、「職人かロボットか」という単純な二項対立ではなく、「職人とロボットの協働体制」という現実的な構図が広がっています。

現代の寿司職人に
求められているもの

 では、今後の寿司のつくり手はどうなるのでしょうか。