職場で評価されている人たちの「移動中の習慣」とは?
「束の間の休憩時間だ」と、スマホを眺める。
「寝不足だったから」と、うたた寝をする。

仕事の移動中、こんな過ごし方をしていないだろうか。実は「仕事ができる人」は全く別の行動をとっている。その答えを明かすのが、『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)だ。日本マイクロソフトの元役員であり、著書が累計130万部を突破した「働き方」の専門家・越川慎司氏が、9年間、総額1億円超をかけて、17万人以上の行動データを徹底分析して導き出した1冊。今回は同書から、確実に成果をもぎ取る「移動の習慣」を特別に紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)

【1億円の調査で判明】同世代より出世が早い人の82%が移動時間を「仕事」に活用しているPhoto: Adobe Stock

一流は、移動時間を「頭を整理する準備」に使っている

 次のアポイントへの移動中、多くの人は「束の間の休憩」と、スマホでニュースを眺めたり、うたた寝をしたりする。

 一方で、職場で圧倒的に評価されている「一流」の習慣は、まったく違う。

 移動時間を「休憩」ではなく、次の仕事で成果を出すための「頭の整理(準備)」に投資している。

 そう指摘するのが、『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』だ。

 815社17万3,000人を対象に、カメラやICレコーダーによる記録、オンライン会議データ、メールやチャットの履歴、さらに個別ヒアリングなどを組み合わせて収集した膨大な行動データを、AI技術を駆使して解析。

 9年の調査期間と総額1億円を超える費用をかけた大規模調査によって、「評価が高い人の習慣」を科学的に解明した。

 その同書に、こう書いてある。

 調査によると、期待されている人の82%が移動などの隙間時間を仕事に活用していました。一方、一般社員で同様の習慣を持つ人はわずか22%でした。
 タクシーの中で会議資料に目を通して会話の構成を頭の中で組み立てたり、報告メールの要点だけをスマホにメモしたり。歩いているときでさえ、信号待ちなどの時間を使って音声でメモを残します。
 到着後の会話や商談がスムーズになるように、こうした隙間時間さえも有効活用して頭を整理しているのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 一般社員がわずか22%しかやっていない「隙間時間の活用」を、一流は82%も実践しているのだ。

「移動中にできる作業」を事前に用意している

 対象を、とくに移動時間が長い「営業職」に絞ると、また違った共通点が見えてきたそうだ。

 まず、移動時間を電話連絡の時間にしている人が少なくありませんでした。
 地方で働くある営業担当の方は、音声メモ用のアプリ、打ち合わせ前に見るチェックリスト、思いついたことをすぐに残せるメモなどのセットを、社用車に常備しているそうです。
 彼の商談成約率は社内平均より約18%高く、移動距離の長さが成果を支える要因になっているとも話していました。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 移動時間が長いからこそ、その時間でできる作業を事前に用意していた。

 その習慣によって、「18%も高い成約率」という結果に変えていたのだ。

スマホに「タクシーアプリ」を2つ以上入れている

 同書によると、移動時間を有効活用するために、期待されている人たちの多くはタクシー移動を積極的に活用するようだ。

 ただ、昨今の都市部ではタクシーがなかなかつかまらないようになった。

 そこで、仕事ができる人たちは、シンプルな方法でリスクヘッジをしていた。

 そこで彼らは、タクシーの配車アプリを活用しています。1つは当然で、2つ以上入れている人も多くいました。
 ヒアリング調査をすると、複数の配車アプリを使っていた人は待ち時間の発生率が平均で約25%低いとわかりました。
 アプリを2つ以上入れるルールを徹底した、ある設計会社の営業チームは、遅刻などの移動トラブル発生数が一般平均と比べて約2割少ないということも判明しました。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

「予備の選択肢」を常に持っておくことで安心感が生まれ、それが結果として顧客からの絶大な信頼、そして昇格や抜擢に繋がっていたのだ。

 仕事ができない人は、移動を「ただの空き時間」と考え、無計画に過ごす。

 一方で、評価される人は移動を「成果を最大化するための助走」と考え、環境と頭を整えている。

 その小さな差が、成果や評価を大きく分けているのである。

『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』にはこの他にも、職場で評価されている人の具体的な特徴や習慣が115個収められている。

「私はもっと評価されていいはず」と感じている人は、多くの気づきが得られるだろう。

★★★実践してみるなら! ★★★
● 配車やナビのアプリを2つ以上入れ、移動中にこなせる仕事を用意しておく。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。