職場で評価されているリーダーの89%が実践している「習慣」とは?
「仕事を任せたらあとは自由にやらせる」
「チームメンバーの成功を上層部にアピールする」

そんなチームの率い方をしていないだろうか。実は「優秀なリーダー」は全く別の行動をとっている。その答えを明かすのが、『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)だ。日本マイクロソフトの元役員であり、著書が累計130万部を突破した「働き方」の専門家・越川慎司氏が、9年間、総額1億円超をかけて、17万人以上の行動データを徹底分析して導き出した1冊。今回は同書から、確実にチームの信頼を得る「リーダーの習慣」を特別に紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)

【17万人調査で判明】部下からの評価が1.5倍も高くなる「リーダーの行動」とは?Photo: Adobe Stock

一流は、部下の失敗を「自分の責任」として引き受ける

 部下に仕事を丸投げして結果だけを求める。
 自分が前に出て手柄をアピールする。

 こうした振る舞いをするリーダーほど、なぜか部下が育たず、周囲からの評価も頭打ちになっていく。

 一方で、職場で圧倒的に評価されている「一流のリーダー」の習慣は、まったく違う。

 彼らは部下が失敗したとき、その責任をすべて自分が背負う覚悟を持っていた。

 そう指摘するのが、『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』だ。

 815社17万3,000人を対象に、カメラやICレコーダーによる記録、オンライン会議データ、メールやチャットの履歴、さらに個別ヒアリングなどを組み合わせて収集した膨大な行動データを、AI技術を駆使して解析。

 9年の調査期間と総額1億円を超える費用をかけた大規模調査によって、「評価が高い人の習慣」を科学的に解明した。

 その同書に、こう書いてある。

 期待されているリーダーの89%が、部下たちの失敗を「私の指示が不十分でした」と、自分の責任として引き受けた経験があることがわかりました。これは一般リーダーにおける比率の1.6倍です。
 くわえて、部下の失敗を守った経験がある上司への部下からの評価は、一般リーダーへの評価と比べて1.5倍も高いというデータも得られました。部下の失敗の責任は自分が取る。この姿勢により、チームからの信頼を得ていたのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 職場で評価されているリーダーの、じつに89%もの人が「私の指示が不十分でした」と言って部下を守ったことがある。

 この覚悟があるからこそ、部下からの評価も「1.5倍」という圧倒的な数字となって返ってくるのだ。

「放置」ではなく「委任」をしている

 期待されているリーダーたちは、部下への「仕事の任せ方」にも特徴があるという。

 それは、多くの二流リーダーが陥りがちな「丸投げ(放置)」とは一線を画している。

期待されているリーダーたちの78%が、信頼に基づいて仕事を委任することを心がけていました。
彼らの委任は、仕事を任せて放っておくこととは明確に異なります。あるベンチャー企業の20代役員は、その違いをうまく言語化してくれました。
「委任とは、やり方は任せるけれど、期待する成果は明確に伝えること。放置は、やり方も成果も曖昧なまま丸投げすること。この二つは全く違う。委任では、途中で確認の場を設けるし、困ったときは助ける。放置だと困っても気づかない」

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 やり方は任せるが、成果は明確に伝え、適切な距離感でフォローする。

 一流は決して部下を孤独にさせないのだ。

「手柄を独占しない人」の部下の65%がリーダーを目指している

 同書が実施した大規模な「働きがい調査」では、手柄を部下に譲るリーダーの元で、驚くべき現象が起きていることが判明した。

 508社の「働きがい調査」では、「(自分のチームの)リーダーが成功の手柄を独占しない」と答えた人の64%が、「将来の選択肢として管理職になることを考えている」と答えました。74%の人が管理職になりたくないと考えている時代に、異例の結果です。
 同じく意外だったのが、手柄を部下に譲ったリーダーの人事評価は、自己アピールがうまいリーダーたちよりも高い傾向にあることです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 部下に手柄を譲るリーダーの部下は、管理職を目指したくなる。

 これは、なかなか衝撃的な事実だ。

 仕事ができないリーダーは、部下に責任を押し付け、手柄だけを自分のものにする。

 一方で、評価されるリーダーは部下の失敗を引き受け、手柄を部下に譲ることで、チーム全体の可能性を最大化させている。

 その姿勢の差が、信頼の差を生み、さらなる出世や抜擢をもたらしているのである。

『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』にはこの他にも、職場で評価されている人の具体的な特徴や習慣が115個収められている。

「私はもっと評価されていいはず」と感じている人は、多くの気づきが得られるだろう。

★★★実践してみるなら!★★★
●部下にあげられる「手柄」は何かを考えて行動してみる。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。