部下と面談する管理職写真はイメージです Photo:PIXTA

「もっと数字に貪欲になれ」「なぜできないんだ」――。責任感の強いマネジャーほど、部下を成長させようとして厳しい言葉を投げかけてしまいがちだ。しかし、そうした「ダメ出し型」の指導は、期待した効果を生まないどころか、部下のやる気や挑戦する意欲を奪い、最悪の場合は「静かな退職」へと追い込んでしまうこともある。営業パーソン1041人への調査から見えてきた、部下の成長を促すマネジメントのあり方とは。※本稿は、営業コンサルタントの高橋浩一『「任せて育つチーム」はどこが違うのか 科学的に正しい「勝てる営業」のつくり方』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

営業パーソン1041人調査でわかった
営業スキルを高める環境条件とは

「ここができていないじゃないか」
「なぜ、もっと数字に貪欲にならないんだ?」
「今のままだと達成は難しいぞ」

 こうした、いわゆる「ダメ出し型」の指導。身に覚えのあるマネジャーも多いはずですし、日常的に浴びせられているメンバーも少なくないでしょう。多くの組織では、こうした厳格な指摘が人を成長させると信じられてきました。

 しかし、ここに1041人の営業パーソンに調査したデータがあります。

 当社(編集部注/TORiX株式会社。筆者が代表を務める営業研修やコンサルティングを行う会社)が実施した、営業パーソンの「スキルの高さ」と「環境条件」の相関係数を調査した分析結果です(比較のため、「年齢」と「営業経験年数」も入れています)。

 相関係数とは、二つの変数がどれだけ同じ方向に動くかをマイナス1からプラス1の間で表す指標で、絶対値の大きさが1に近いほど関連が強いことを示します。

 まず、「年齢」と「営業スキル」の相関は、ほぼゼロに近い(相関係数0.04)です。年上だからといってスキルが高いわけではないし、年下だからといって低いわけでもありません。