加えて、自分が興味をもつ対象の「パターン」を認識することも大切だ。
レベッカ・ザッカーもまさにそれを行った。レベッカは一流銀行で働くエリートだが、自分はただパリに住みたかっただけだと気がついた(編集部注/本当はパリでM&Aの仕事がしたかったが、叶わなかった過去がある)。そこで今度は、パリで暮らす生活費を稼ぐために、さまざまな仕事をやってみることにした。彼女は言う。
「英語を教えたり、ビジネススクールへの願書を書くのを手伝ったり、ロンドンの金融街で就職活動するという人のために面接の練習台になったりした。ほかにも、プレゼンのコーチングや、ちょっとしたコンサルティングの仕事もしたわね」
そしてだんだんと、自分が選んだ仕事からあるパターンが見えてきた。「自分はほかの人の成功を手助けするのが好きなんだって気づいたの」と彼女は言う。
その後、レベッカは再び会社勤めに戻り、人材開発の部署で働くようになった。「さまざまな人が私のところへ来て、仕事の問題や悩みを相談する。私はただ彼らの話を聞き、そして質問をした」とレベッカは当時を回想する。自分が本当に幸せになれるもの、まわりの人からも価値があると思ってもらえるものを見つけたレベッカは、「自分が本当にやりたいのは、エグゼクティブ・コーチングだ」と気がついた。そして1年後、自分の会社を起ち上げた。
投資銀行でのキャリアよりも
大学院進学を選択
コンスタンス・ディエリクスも、同じく自分のパターンに気づいた1人だ。彼女は、学校を卒業すると、まず投資銀行のメリルリンチに就職した。仕事は株の仲買人だ。これもまた、自分の興味に従った結果の選択だ。彼女が知りたかったのは、「なぜ人間は、お金のこととなるとあんなに愚かな決断をしてしまうのか」ということだ。
株式投資の鉄則は誰でも知っている。「安値で買い、高値で売る」だ。なのに、優秀な人たちでさえ、よくその正反対のことをする。暴落したらパニックで売り、そして明らかな高騰状態でも、欲をかいて買ってしまうのだ。「毎週のように本屋に通って、決断の科学や心理学の本を何時間も読みあさっていた」と、彼女は話す。
『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』(ドリー・クラーク、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
会社の仕事は好きだった。顧客と深い関係を築くことができるからだ。それでも、「人間の意思決定を研究する」という分野への興味が尽きることはなかった。そしてついに、大学院に入って心理学の博士号を目指すという道を選ぶ。
簡単な決断ではなかった。「家族に経済的な負担をかけてしまうかもしれなかった」と、コンスタンスは当時を回想する。メリルリンチにいれば高給が保証されているが、フルタイムの学生となるとそうはいかない。しかし彼女は、自分の興味を大切にすることを選んだ。現在、コンスタンスは成功したコンサルタントで、心理学とリーダーシップについての本も出版している。
本当に興味のあることを見つけるのは難しいと感じる人もいるかもしれない。だが、単純に、今の時点で「自分が時間を費やしていること」を知るだけで十分だったりする。







