冬場の充電前にバッテリーを「予熱」する

磯:さらに冬場の場合は、充電器に着く前にバッテリーを温める制御も入れています。

 ナビで目的地を設定しているので、今の速度なら何分後に充電する場所に到着するかが分かります。そうすると、何度まで温めるにはこのタイミングで加熱すればいい、というのを計算して、バッテリーヒーターを事前に入れるんです。もちろん自動で入ります。

F:充電効率を良くするためにですか?

磯:はい。冬場だったら、着く直前にヒーターをオンにして、着いた時にはバッテリーがちょうどいい温度に温まっていて、最高の充電性能で充電できるようにする。そういうことを今回やっています。

F:そこまでやってるんだ……驚きました。行き当たりばったりではなく、ちゃんと純正ナビを使って計画的に走るのが一番効率的ということですね。最近は試乗しても、純正ナビは使わないことが多かったからなぁ……。

「航続距離702km」の実力

磯:繰り返しますが、EVはカタログ上の航続距離だけ伸ばせば良いというものではありません。実際にお客様が使う時に、どれだけ不安なく走れるか。そこが大事なんです。

 冬になると充電が遅い。冬の航続距離が短い。夏場に充電がうまく入らない。そういった声は、これまでたくさんいただいています。EVを3代続けて出していますから、お客様がどこで不満を持たれるのかが分かってきます。

 カタログで長い距離を出していても、実際に使った時にその数字との乖離が大きいと、これは間違いなく不満につながります。ですから今回のリーフでは、単に数字を伸ばすのではなく、実際に使う時の不安をどう減らすかをかなり意識しました。

 目的地に着く時に何%残っているか。どこで充電すればいいか。何分充電すればいいか。そしていざ充電器に着いた時には、ベストの充電性能が出る状態になっているか。そういうところを、ナビや走行データ、充電器の情報、バッテリーの温度管理まで含めて造り込んでいます。

F:素晴らしい。ところで今回のリーフは一番走る仕様で最高何kmまででしたっけ。

磯:702kmです。

F:702km。それはすごい。でも高速を100km/h、あるいは新東名や東北道を120km/hキープで走ったら、さすがに700kmというわけにはいかないですよね。

磯:そこは条件によります。高速道路ベースでも500kmは超えます。今回のリーフは空力もかなり頑張っていますので、高速における電費にも効いています。