こずるく立ち回る人は短期的に得をして見えますが、中身を育てていないため、長期的には化けの皮が剥がれ評価を落とします。一方で馬鹿正直にコツコツと真面目に取り組む人が積み重ねてきた信頼や実績は、誰にも奪えない大きな財産となります。世の中は必ずどこかでつじつまが合うため、他人の瞬間的な成功を羨む必要はありません。長期的な視点を持って自分の努力を続けましょう。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】なぜ要領のいい人は自滅するのか? 正直者が最後に大逆転する納得のワケPhoto: Adobe Stock

「正直に生きると損をする」と感じていませんか?

今日のは「正直者は馬鹿を見るのか?」というお話です。

私は普段から「こういう風に考えたほうがいい」「こういう行動をとってみては」といったアドバイスをしています。すると、時おり「正直にやっていると馬鹿を見てしまい、うまくいかない」「小器用に、こずるく立ち回っている人ばかりが得をしているように思えてならない」といったご意見をいただくことがあります。

小器用な人の「化けの皮」は長期的には剥がれる

そういう時に私がどう思うかというと、一見、世渡り上手でこずるく振る舞っている人は、確かに短期的な視点で見れば得をしているように見えます。しかし、長期的な視点で見た時にうまくいっているかというと、たいてはうまくいきません。どこかで化けの皮が剥がれるからです。

本当に真面目に、コツコツとやっている人に、付け焼き刃でうまく立ち回っている人は結局勝てないのです。なぜなら、どれだけうまく取り繕ったとしても、その人の「本質」は変わらないからです。

うまく立ち回ることばかりに注力し、中身を育てていないため、やがてそこがネックになります。結果として、薄っぺらさが露呈したり、矛盾が生じたりして、結局は周囲にばれてしまうのです。

コツコツ積み重ねた真面目さは誰にも奪えない

一方で、馬鹿正直にコツコツと真面目に取り組んでいる人のことは、ちゃんと見ている人がいます。そうやって積み重ねてきた実績や信頼は、他の人が「羨ましい」と思って急に目指そうとしても、同じだけの年月を真面目に積み重ねてこない限り、決して手に入るものではありません。

ですから、小器用な人を羨ましがる必要はありません。自分のやりたいことや、真面目に取り組んでいることを続けることが、必ず自分にとって大きな財産となって返ってきます。

周囲の状況にモヤモヤしなくても大丈夫です。真面目な努力が報われないということはないのです。

他人の「うまくいった瞬間」だけを切り取らない

人間というものは、他人の「うまくいった瞬間」ばかりを眺めてしまいがちです。小器用に立ち回っている人が得をしているように見えるのも、短期的には得をする可能性があり、その瞬間だけを見ているからです。

しかし、その人がその後どうなったかまでは追跡していないはずです。器用に立ち回る人は、自分の能力や成果を最大限に見せることが上手です。しかし、そうやって自分を大きく見せると、今度は周囲からの期待値が上がってしまいます。

実力がともなっていなければ、当然その期待には応えられなくなり、結果的に損をすることになります。周囲の期待と本来の自分との乖離が大きくなるほど、かえって苦しくなったり、評価が下がったりしてしまうのです。

世の中は必ずどこかでつじつまが合う

自分の能力を高くアピールすることも大事な能力の一つですし、不器用でもコツコツと真面目に取り組むことも非常に大切です。それぞれにメリットがあり、方向性の違いに過ぎません。トータルで見れば、あなたの才能や真面目な努力が報われないということは決してありません

世の中は必ずどこかでつじつまが合うようになっていると私は思っています。どうかそのような視点を持ってみてください。私たちはつい、短期的な視点で自分や他人の状態を評価してしまいがちですが、もっと長い目で見てあげてくださいね。そうすれば、正直に積み重ねてきた人は、ちゃんとそれに見合うものを得られるはずです。