長年培った土台である性格はすぐには変わりませんが、向かうべき「理想の方向性」を常に自覚していれば少しずつ変化できます。失敗と自覚、反省を繰り返すうちに、ある日行動が変わり、周囲の反応という良い結果を得ることで新しいパターンを脳が学習します。より効率的に改善したいなら、理想とする性格の人と交流し、その言動や行動パターンを意図的に真似るのが有効です。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】性格を改善するためのたった1つの方法Photo: Adobe Stock

性格を改善するためのたった1つの方法

今日は「性格を改善するためのたった1つの方法」についてお話ししたいと思います。

よく「自分の性格を直したい」というご相談を受けるのですが、実は性格が良いか悪いかという問題はさておき、「自分の性格を変えたい、このままではいけない」と思った時点で、すでに成功しているようなものなのです。

性格がすぐに変わらない理由

ただ、性格というのはすぐ簡単には変えられません。なぜなら、性格はあなたを構成する要素の一つであり、これまでその性格をベースにして生きてきたからです。

うまくいったことも、いかなかったこともあるかもしれませんが、これまでの人生の中でさまざまな学習をし、獲得してきたものがあります。性格には生まれ持った「先天的な要因」と、後から「獲得してきたもの」の両方がありますが、どちらもこれまでの人生の時間をかけて作り上げてきたものです。

そのため、土台からいきなり変えるというのは無理な話なのです。

「どうなりたいか」を常に意識する

では、性格は変えられないのかというと、そうではありません。人間は少しずつ変化していく生き物です。例えば、昔は横暴で他人を気にかけなかった人が、さまざまな経験を経て、他人を思いやれるようになったり、自分を抑えられるようになったりします。これは「これではいけない」と学習し、徐々に変化させていった結果です。

人間は誰もが変化していくものですから、「どの方向性に向かって変化するか」ということが、性格を変える大きなポイントになります。

そのために必要なのが、「自分の今の性格をどうしたいか」という意識を持つことです。「性格を変えたい」と相談している時点で、すでにその思いを持っていますよね。ですから、性格を変えるアプローチとしてはそれで十分であり、あとは結果が出るまで少し時間がかかるだけなのです。

失敗と自覚を繰り返して、少しずつ変わる

その間、大切なのは「自分の目指す方向性を忘れないこと」です。たとえば、「自分は他人への配慮が足りないから、なんとかしたい」と思っているなら、常にその課題を自覚しておくことです。

意識していると、また同じ失敗をしてしまったときに「またやってしまった」とすぐに自覚できます。そこで「次はこうしよう」と反省する。それでもまたやってしまい、「なんで自分はダメなんだ」と嫌な気分になるかもしれません。しかし、これを繰り返しながら少しずつ試行錯誤していくうちに、ある日ちょっとだけ行動が変わるのです。

少し思いやりを持てるようになると、相手や周囲の反応も変わってきます。「最近、ちょっと変わったよね」「一緒にいて楽になった」と言われるようになるかもしれません。そうして良い結果を得ることで、今度はその新しいパターンを学習していくのです。

理想の人と交流し、行動を「コピー」する

性格を直すといっても、今の自分を全否定して過度に責める必要はありません。「もっとこうなったらいいな」と、向かう方向性を変えるだけで良いのです。

さらに、もっと効率的に性格を改善したいのであれば、自分の「理想とする性格の人」となるべく交流し、接するようにしてみてください。人間は、我が道を行くような人であっても、周囲の影響を大いに受ける生き物です。大雑把な人と一緒にいれば大雑把になりやすく、良い面も悪い面も周りから伝染してくるものです。

ですから、親友でも上司でも構いません。自分が理想とする人をよく観察し、その人の言動から意図的に影響を受けるようにしていくと、より確固たる変化を生み出すことができます。さらに意識的に行うなら、その人の行動パターンをそのまま真似(コピー)してみるのも手です。

行動を変えてみて、前とは違う良い結果が得られれば、「次もやってみよう」と思えるはずです。まずは「自分がどういう風になりたいか」を常に意識しておくこと。ただそれだけで大丈夫です。