信頼のおける人とはどういう人を指すのでしょうか。一般的に人柄が良くて話しやすいといったイメージで捉えられがちですが、職場における信頼の定義は少し違います。
「この人に働きかけたらこう対応してくれる」という予測可能性が高いことを、仕事上の信頼と呼びます。
決めたことをきちんと守る、こういう場面ではこう動く、必要なときに情報を共有してくれる。そうした予測可能性の積み重ねがあって初めて、周囲から「この人に任せれば大丈夫だ」と思われるようになります。
会社は、思った以上に繊細な人間関係のバランスの上で動いているものです。誰が何を担当し、進捗はどうで、何に困っていて、次に誰が何をするのか。こうした情報が日々のコミュニケーションを通じて細やかに共有されているからこそ、チームは一つのまとまりとして有機的に機能します。その根底にあるのが、メンバー同士の予測可能性、すなわち信頼なのです。
ルール軽視が招く末路
気づいたときには孤立
ところが、チームで決めた細かいルールを軽んじる人は、この予測可能性を自分で少しずつ失っていることに気づいていません。
具体的には、定例会議への参加、進捗の報告、メール・チャットの運用などが挙げられます。チームで決められたルールが守られないと、組織として業務プロセスを管理できず、効果を測定しづらくなります。
ルールを破る行為であっても最初は「忙しかったのかな」「うっかり忘れていたのかな」で済まされます。二度目に「またか」と思われ、複数回続くと「この人は決まりを守らない」「頼むと不安だ」と確実に評価が下がります。こうした他のメンバーの不満は表に出にくいため、本人は問題ないと思って続けてしまいます。しかし周囲は、その時点ですでに「一緒に仕事をしたくない人物」というレッテルを貼っているのです。
こうなると、人事評価が下がるだけでは済みません。困ったときに助けてもらえなくなり、周囲が積極的に情報を共有してくれなくなります。プロジェクトのメンバーを選ぶ際も候補から外され、任される仕事の幅も狭くなります。個人でできる仕事には限界があるため、重要度の低い仕事しか回らなくなり、職場で孤立していくのです。もちろん昇進も遠のきます。
私の感覚では、信頼が失われる速さに対して、それを回復するには3〜4倍の時間がかかります。気づいたときには、すでに取り返しのつかないことになっているのです。
放置するとチームは崩壊…
正しい叱り方は“衆人環視”
これが本人だけの問題であれば「自業自得だね」と言って片付けられる話かもしれません。 しかし、 実はルール違反を放置しているマネージャーもまた、周囲から不信の念を抱かれてしまうのです。







