パソコンで作業するビジネス男性写真はイメージです Photo:PIXTA

電話や対面よりも、メールで仕事のやり取りをする機会が増えた今、「最初の一通」で相手の心をつかめるかどうかが、その後を大きく左右する。「成功者は皆、文章力が高い」と断言する作家・近藤康太郎氏は、初めて依頼する相手を動かすメールには、あえて書かないほうがいいことと、最初から必ず伝えるべきことがあるという。相手を「口説き落とす」ためのメール術とは何か。※本稿は、作家/評論家/百姓/猟師の近藤康太郎『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』(CEメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。

どの世界でもトップにいる人は
文章操縦力がきわめて高い

 文章を書くというのは、きわめて高度な知的活動です。それは、たとえば外国語の学習を考えれば分かります。英語を聞くのはたいへん難しいことですが、あきらめないで勉強していれば、また、CNN等のニュース番組であれば、比較的短い時間で聞き取れるようになります。

 話すこともなんとかなります。日常会話での使用単語は、700語くらいといわれています。

 ところが読むことになると、ぐっと難しくなる。外国語の本を、辞書を引かずにストレスなく読み進むには、まず、単語10000語を覚えていることが必要でしょう。

 しかし、辞書なくして本を読み進めることができるようになっても、書くことはできない。片言で、なんとか自分の意思を表すことはできますが、ネイティブが読んで違和感のない自然な英語は、書けない。

 日本人が自然な日本語を書くのも、だから、苦労してあたりまえなんです。そのうえ「うまい」といわれる日本語を書くことは、至難の業だ。そしてとびきり難しいからこそ、書ける人は有利です。いやな言葉ですが、出世します。

 どの世界でもトップにいる人は、きわめて文章操縦力の高い人です。ビジネスだけでなく、アーティストも、じつは、アスリートや格闘家でもそうなのです。トップ中のトップは、間違いなく、文章家です。例外は政治家だけです。