ミスをした部下を厳しく叱れば、次は気をつけるはずだ――そう思っている上司は多い。しかし著者は、その「厳しさ」こそが、チームにとって最も危険な状況を生み出していると言う。SNSでビジネススキルについて情報発信を行い、総フォロワー数が37万人を超える「にっしー社長」こと西原亮氏の著書、『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに、誰でも「しごでき」になれる令和の仕事の基本を解説する。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

仕事ができる人は「ミスを責めない」。では、どうする?

上司が怖いほど、部下は口を閉ざす

ミスをしたとき、部下はどうするか。
怒られる前に自分でなんとかしよう。
少し様子を見てから報告しよう。
この「隠す」という行動は、部下の怠慢ではなく、人間の本能だ。

不利益な情報を隠そうとする本能は、誰にでもある。
そこに「上司が怖い」という条件が加わると、その本能はより強く働く。
叱責や不機嫌な態度が日常的なチームでは、部下は防衛本能として口を閉ざすようになる。

チームにとっての最大の罪は、ミスではなく「隠蔽」だ

人間は本能的に、自分にとって不利益な情報を隠そうとする生き物です。
上司が普段からミスに対して厳しく叱責したり、不機嫌な態度を取ったりしていれば、部下は防衛本能として口を閉ざします。
そして、部下が隠した小さな火種は、上司の耳に入った頃には取り返しのつかない大火事になっているのです。
仕事において、ミスをすること自体は避けられません。人間である以上、失敗はつきものです。
チームにとっての最大の罪は、ミスをすることではなく、「悪い知らせ(Bad News)」が隠されることです。隠蔽さえなければ、初期段階で対策が打てるからです。

部下が隠した「小さな火種」は、上司の耳に入る頃には取り返しのつかない大火事になっている。
これは比喩ではなく、多くの職場で実際に起きていることだ。
問題が小さいうちに対処できるかどうかは、「悪い知らせが報告されるかどうか」にかかっている。

著者の言葉は明快だ。
チームにとっての最大の罪は、ミスをすることではなく、Bad Newsが隠されることだ。
ミスは起きる。人間である以上、避けられない。
しかし、隠蔽さえなければ初期段階で手が打てる――そのための環境をつくることが、上司の最重要の仕事だ。

「好かれる上司」は、Bad Newsを歓迎する

悪い知らせを持ってきた部下を叱ってはいけない。
「教えてくれてよかった」「早く言ってくれてありがとう」という反応が、次のBad Newsを呼び込む。
この反応を繰り返すことで、部下は「何かあればすぐ言っていい」という安心感を持てるようになる。

報告しやすいチームは、問題が早期に発見され、早期に解決される。
「ミスを責めない文化」は、結果としてチームのパフォーマンスを上げる。
上司が「怒らない」ことを恐れるより、「報告が来ない」ことを恐れる方が、チームリーダーとして正しい感覚だ。

次に部下がミスを報告してきたとき、叱る前に「早く教えてくれてよかった」と一言だけ言うことだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)