同じように20~24歳は0.0764、25~29歳は0.3064と続く。こうして得られる年齢別の平均出生率を合計すると、1.15となり、これが2024年の合計特殊出生率である。仮に平均的な女性が2024年における年齢別の出生率をそのまま実現すれば、この女性は一生の間に1.15人の子どもを産むことになる。

 つまり、「2024年の年齢別平均出生率が女性の出産パターンだとした場合、1人の女性が一生の間に平均何人子どもを産むことになるか」という数字なのである。

東京都の出生率は
人口移動が加味されていない

 前述の東京都の合計特殊出生率も、同じように東京に居住する女性の年齢別の平均出生率を合計することによって計算されている。ところが問題は、都道府県の場合は、対象となる女性が都道府県の境界を越えて移動するということである。この人口移動によって、東京都の出生率は見かけ上低くなってしまうのである。

 この点は、当の東京都自身が「進学や就職に伴う未婚女性の流入により、都市部の合計特殊出生率は低めに出る傾向がある」と主張している。この資料(「少子化対策の推進に向けた論点整理2024」)で使われている例を筆者なりにやや修正して説明しよう。

 今、日本には東京都と自治体Aだけがあったとする。それぞれに20代後半の女性が1000人ずつ居住しており、既婚女性と未婚女性が半分ずつだとする。ある年に生まれた子どもがそれぞれ10人だったとする。この10人は既婚女性から生まれている。

 20代後半の女性の出生率(100人当たりの出生数)はどちらも1.00である。ここで、自治体Aから東京都に未婚女性が100人転出したとすると、自治体Aの出生率は1.11(10÷9)、東京都の出生率は0.91(10÷11)となる。つまり、未婚女性が流出した地域では、出生率は高く、逆に流入した地域では低くなるのである。

 これと同じことが、東京都と東京圏以外の道府県との間で起きていると考えられる。東京圏に転入してくるのは、就職や就学の機会を求めた若年層が多い。女性については未婚者の割合が高い。すると、前述の例示のように、東京都の出生率は他の地域より低くなるのである。