
漢字が読めないツヤ
「なんなのあの芋男は」
尼さん対芋男。直美と小川の出会いは最悪。だが、最悪な出会いがあとから変化するのは物語の定番である。だがすでにそういうパターンには寛太(藤原季節)がいる。りんとシマケンと虎太郎、直美と寛太と小川。
主人公がふたりいるからって、平等に主人公の相手役に誰がなるかわからない感じにすることもないのではとも思うが、ここで早急に判断はせず、様子を見ていこう。
『風、薫る』には、ほかにも人気キャラになるポテンシャルをもった人物たちがいる。今井(古川雄大)はクールでしゅっとした外科医。従来のドラマだったら看護婦や女性患者に憧れられそうなビジュアルだ。
でも、ジェンダー平等の令和に描かれる物語としては、たとえ時代が明治でも、そういう背中にバラを背負うような表現は避けているのかもしれない。
今井の助手・黒川も、これまでの朝ドラでは誠実で、主人公の味方になるような役割を演じてきた平埜生成が演じていることもあって、活躍が期待される。が、いまのところ、目立った活躍はない。ほかの医者たちよりは意地悪さがなく、冷静にりんたちと接しているようではあるが。
第63回では黒川は、看護婦を目指す生徒たちに授業をしていて、ツヤ(東野絢香)に問題を発見した。これまで医者たちが身につけていなかった白衣のようなものを着て、先生っぽい。スーツも良いけど白衣もね。
黒川はツヤが字が書けないことをりんに伝え、勉強についていけないことを心配する。
ツヤは貧しく小学校も満足にいけなかったのだが、病院勤務によって「肝臓」や「腎臓」などの専門用語は自然に覚えていた。とすれば、これから学んで学力を挽回できる可能性があるのではないかとりんは楽観的だが、黒川の顔は晴れない。これからより講義は難しくなるし、英語もあるのだからと黒川は悲観的だ。
手助けすると張り切るりんを見送り、「苦手だったなあ、ああいう熱血教師」と「熱血教師」だけ英語でつぶやく黒川。
黒川は令和的なアンチ熱血キャラだった。もしかして彼が妙に淡々として見えるのは、熱血教師が苦手だからだったのか。それでりんたちに感情的に味方をしたりしないのかもしれない。
院長(筒井道隆)と副院長(森田甘路)が徐々に看病婦を減らしていくという悪だくみをしているのを聞いて、表情をかすかに変えていた。黒川は体制派なのかそうではないのかまだわからない。







