30代の9割が
「必ずしも結婚する必要はない」

 別の調査結果も確認しておこう。NHKが5年に1度実施している「日本人の意識調査」によると、「人は結婚するのが当たり前だ」と「必ずしも結婚する必要はない」の2択について、「必ずしも結婚する必要はない」との回答が長期的に増加トレンドをたどっており、直近(2018年調査)では「結婚するのが当たり前」にダブルスコア以上の大差をつけている(図表1-2-6)。

図表1-2-6 結婚についての考え方の推移同書より転載 拡大画像表示

 しかも、これは全年齢を調査対象としたうえでの結果であり、「結婚は当然」とみなす人の割合が高い高齢層も含むことに注意が必要である。すなわち、例えば30代においては、「必ずしも結婚する必要はない」との回答が9割に上っており、圧倒的大多数になっている(図表1-2-7)。つまり、この世代の大多数にとって結婚とは「選択的」なものになっているわけである。

図表1-2-7 結婚についての考え方(30代)の推移同書より転載 拡大画像表示

 これら2つの調査は、結婚への意識が長期的に低下方向にあるという点では共通しているが、水準感は大きく異なる。つまり、国立社会保障・人口問題研究所が調査した「結婚願望」はまだ高い一方、NHKが調査した「結婚への義務感」は低い。

 単純に考えれば、「結婚は義務的でなく選択的なものになったが、それでも『できれば結婚したい』という人がまだまだ多い」ということになる。つまり、「取付け義務はなくなったが、今でも結構人気のあるオプション装備」というのが現代日本における「結婚」の位置づけではないだろうか。

『働く人が減っていく国でこれから起きること』書影働く人が減っていく国でこれから起きること』(河田皓史、朝日新書)