20代の私は、目の前の業務のことを必死に勉強していましたが、その道のプロになろうとは、まったく考えていませんでした。先述した『トヨタ生産方式』は必死になって読みましたが、それ以外にもトップセールスの本を何冊も読みました。そのとき、生産管理やセールスのプロになろうと思っていたわけではありませんでした。それでも一所懸命に勉強したものは、今も自分の中に残っています。
その後、購買、財務、転職してコンサルティング、日本コカ・コーラ、エンターテインメント会社のアトラス、ザボディショップ、そしてスターバックスのCEO……といろいろな仕事をしてきましたが、そのときどきに、仕事に関する勉強を必死にやっていました。
それが、後に大きく生きましたし、今でもそれぞれのエッセンスを語ることができます。
専門分野を決めて進んでいくのもひとつの考え方かもしれませんが、私はそのときどきに、目の前のことをしっかり学ぶことが、後々大きな成果をもたらしてくれると考えています。
そのときは、その勉強や経験が将来のキャリアにどうつながるかはまったくわからなくても、20年後、30年後に、まったく関係ないと思っていたものが、いきなりつながったりするのです。
頑張っている限りにおいて
無駄なことは何ひとつない
もし、自分の興味と違うから、専門分野とはリンクしないから、などという理由で勉強しなかったら、後悔したと思います。幅広く学んでいたからこそ、後々役に立つ財産になったのです。
例えば、スターバックスでお店のワークフロー(コーヒーの入れ方)を見たときにすぐ問題点が発見できたのは、生産管理の知識があったからでした。
これまでいろいろな仕事をしてきて実感しているのは、人生には、頑張っている限りにおいて無駄なことは何ひとつない、ということです。
アップル創立者のスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語った「Connecting the dots」つまり点と点をつなぐことそのものです。
だからこそ、そのときどきの仕事に関することをしっかり勉強して、一所懸命に取り組むべきだと思います。







