例えば財務に異動したときには、財務関係の本を必死に読みました。今でもファイナンスの基礎があるので、金融業界の人たちとの専門的な会話についていけます。

 その基礎を基に株式投資をしましたが、家が建てられるほど儲かっています。

 その後、コンサルティング会社に入ったときには、大前研一さんの本を全部読みました。特に『企業参謀』(講談社文庫)は、コンサルタントの必読書です。そして徹底的に読み込んだおかげで、コンサルタントの思考方法がよく理解できました。新しい会社に入って、問題を分析したり、戦略を考えたりする上でとても役に立ちました。

 背伸びしないで、目の前の仕事に必要な入門書から読めばいいのです。すぐに仕事に生かせるからモチベーションも高まるし、成果を出しやすくなります。それが評価を受けることになり、また勉強へのモチベーションが上がる。結果的に、自分の大きな財産にもなります。

経験が足りていなければ
読んでいても実感がわかない

『新版「君にまかせたい」と言われる人になる51の考え方』書影新版「君にまかせたい」と言われる人になる51の考え方』(岩田松雄著、サンマーク出版)

 経営者を目指して経営の本を読もうとする若者がいますが、正直なところ20代で経営の本など、そう簡単に理解できないと思います。なぜなら、まだ経験が足りていないからです。また、すぐには自分で実践できないことが多いので、読んでいても実感がわかないと思います。

 もちろん無駄にはなりませんから、大いに読めばいいと思います。ただ、私も若いときからドラッカーの本を読んでいましたが、目から鱗が落ちるような発見をしたのは、経営者になって実際にマネジメントするようになってからです。経営者になって初めて、ドラッカーの言わんとする意味が本当に理解できるようになりました。

 ただ、最近はベンチャー企業を立ち上げて、成功する若者も増えてきました。ある程度成功して、組織が大きくなり、人をマネジメントする必要に迫られたときに、ドラッカーの本はバイブルになると思います。

 将来の準備も少しずつしながら、目の前で必要なものについて貪欲に勉強することです。それを積み重ねていけば、将来、経営者になっても慌てることがなくなります。