同社では、ここ数年、契約途中で入居者が他界するケースが増えているという。これに対応する策として何が必要なのか。それを明らかにするために、同社では2021年11月より、「他界分析レポート」と題した集計を行ってきた。

 その内容は、管理会社が把握できる、居住者の年齢、性別、居住年数、保証人の有無、そして死亡した場所である。同社前会長の十河浩一氏によれば、こういったデータを保持、公開する事業者は極めて珍しいという。

「不動産業界では、市場調査のために入居者の属性を分析しますが、あくまでもポジティブに、どの時期に、どういった年代の人がどういう理由で入居するかを把握するためのもので、孤独死に関するバックデータを整理しているところはあまり多くないと思います」とその希少性を強調している。

孤独死していたのは
「優良入居者」だった

 集計開始から約3年で135名の他界ケースがあった。年齢階層別では、60代が43名(31.85%)と最も多く、それに70代37名(27.41%)が続く。80歳以上は入居者の母数が絶対的に少なくなるが、それでも22名(17%)が亡くなっている。性別は、男性が120名(88.9%)と圧倒的多数を占める。

 死亡場所は、室内・戸内が84名(62.2%)、病院が46名(34.1%)、屋外が5名(37%)である。居室で亡くなった84名の死亡場所を見ると、居室内が68名(81.0%)と多く、その他、浴槽や台所、トイレ、玄関、ベランダなどはそれぞれ2~4%程度である。

 注目すべきは、孤独死した人の居住年数である。同社では、高齢を理由に途中で契約を解除するということはしていない。そのため、入居してから20年以上という割合が約3割、10年以上を含めるとその数は5割を超える。

 つまり、高齢の新規入居者が孤独死していると言うよりも、壮年期より長く入居している人が高齢化し、亡くなっているというケースが多いのである。