保証人なし、保険も使えない
死後処理の重すぎる負担

「もちろん、更新の際に保証会社の利用を勧めますが、費用がかかることなので、強制はできません。加入しないからといって退去を求めることもできないですから」という実情がある。

 さらに、保証会社の役割は、家賃の滞納に対する補償やそれに伴う訴訟費用を負担するということであり、当事者が他界すれば契約は終了となる。

 そこで期待されるのが保険ということになる。

「保険を使えるかどうかはケースによります。もちろん新規の入居者には、孤独死関連の保険には入ってもらいますが、古い入居者になると、保険に入っていても孤独死に対応していない補償内容だったりしますし。また、対応していてもどこまで出るかは保険の内容によるので、すべてカバーできないことも多いんです」と斉藤氏。

 残置物の処理も頭の痛い問題だという。

「最近の家財保険には、貸主保証が付いています。入居者に何かあったときに、貸主が残置物の撤去や遺品整理をやっていいよという特約が付いているんです。貸主に権利があるということになっているんですが、その前にまず身内親族、つまり、法定相続人を探すことから始めなければならないんです。それをするには、相当な手間と労力が必要になります。仮に家賃滞納がある場合には、著しい信頼の失墜なので強制退去を求めることができるのですが、それ以外は本当に対応が難しい」という複雑な状況がある。

ICTの見守りで孤独死は
本当に防げるのか

 2024年6月時点の契約者5310人(空室と法人名義の取扱い物件を除く)の実態を見ると、50代が1379名(25.97%)と最も多く、このほか60代以上が26%を占めている。このまま何も手を打たなければ、孤独死件数が今後も増え続けるだろうということは、容易に推測できる。

 原状回復の負担を低減し、特殊清掃が必要な告知義務案件を減らすためにも、遺体の早期発見の仕組み、例えばセンサーやモニターなどで異変を即座に察知するICTや、孤独死事案に対応した保険を導入したいと同社は考えている。