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「孤独死」は特別な誰かの話ではない――。賃貸住宅の現場で静かに進行しているのは、高齢者だけではなく“長く住み続けた優良入居者”までもが、誰にも看取られずに最期を迎えていくという現実だ。家賃を一度も滞納せず、何十年も暮らしてきた住人が、なぜ“発見されない死”に至るのか。不動産管理会社が蓄積した「他界分析レポート」は、その構造的な歪みを突きつける。※本稿は、追手門学院大学地域創造学部教授の葛西リサ『単身高齢者のリアル――老後ひとりの住宅問題』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
高齢者が増えた賃貸物件で
管理会社が直面した現実
オーナーや不動産会社が直面する高齢入居者の問題とは、いったいどのようなものなのか。なぜ、それほどまでに高齢者は忌避されるのか。実際に、孤独死の対応に追われる不動産会社に話を聞いた。
株式会社JPMCシンエイは、1969年に東京都立川市にて創業された賃貸管理会社である。同社は、土地活用を目的とする顧客に対して賃貸住宅の建設から管理までを一括して請け負うことで事業を拡大してきた。1970年代から90年代初頭までは、多摩地区でも学生向けのワンルーム需要が多くあった。
しかし、築年数の経過や大学の都心回帰、少子化の影響などから若年層のニーズが低下し、他方で2000年代ごろから、高齢者や外国人、低所得母子世帯などの入居が目立つようになった。
2024年7月現在、同社が管理する全8100室の平均賃料は3万7000円、物件の約九割を占める17平米のワンルームタイプに限ってみると、平均賃料は3万2000円とさらに低くなる。そのため、行政から生活保護受給者の入居を紹介されることも少なくない。







