「話が面白い人」は、特別な話術を持っているのでしょうか。『言語化だけじゃ伝わんない』では、その秘密は話の内容ではなく、「会話をテストにしないこと」にあると語られています。人と自然に打ち解けるための意外なコツを紹介します。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

話が楽しくて「めちゃくちゃモテる人」がやっていること・ベスト1

話が楽しくて「めちゃくちゃモテる人」

「この人と話していると楽しい」

 そう思われる人がいます。
 特別に知識が豊富なわけでもない。
 話術が飛び抜けているわけでもない。

 それでも、一緒にいると自然と笑顔になってしまう。

言語化だけじゃ伝わんない』という本では、その理由は「会話をテストにしていないこと」だと語られています。

「正解」を探し始めると会話は苦しくなる

 本書では、まずこう説明されています。

なぜ、自信がないと言いよどんでしまうのでしょうか?
その理由が「そのコミュニケーションがテストになっているから」です。
「知りません」「わかりません」と素直に言えないのもこれが原因です。
テストだから、わからないと言えないのです。
部分点を取ろうとして、慌てて、自信なく話すほうを選んでしまうのです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 会話を「評価の場」だと思うと、人は正解を探し始めます。

 間違えたくない。賢く見られたい。知らないと思われたくない。
 そんな気持ちが強くなるほど、言葉はぎこちなくなってしまいます

仲のいい人との会話は「クイズ感」がある

 一方で、本書はこんな対比を示します。

コミュニケーションはテストのように緊張感ガチガチのものばかりではありません。
仲のいい友人や家族とのふだんの会話では、相手を評価しないはずです。
そんなときは、質問に対する答えも気軽なものになります。
言うなれば、こちらは「クイズ感」。遊びです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 仲のいい人とは、「正しい答え」を求めて話していません。
 正解よりも、「そのやり取り」そのものを楽しんでいます

 だから失敗しても笑えるし、答えが外れても盛り上がるのです。

モテる人は「会話そのもの」を楽しんでいる

 本書では、その例としてこんな会話が紹介されています。

「こないだ、会社帰りにばったりすごいやつに会ったんだよ。誰だと思う?」
「マイケル・ジャクソン?」「フォー!って、ちがうわ」とか。
「この時計、思い切って買ったんだけど、いくらだったと思う?」
「300円?」「ガチャの時計じゃないわ!」とか。
くだらなすぎる、赤の他人が聞いたら恥ずかしくなるような会話です。
この手の会話は、内容そのものに意味があるわけではありません。
コミュニケーションすること自体を楽しむものです。
質問に正解しなくても問題ありません。
むしろ、質問と回答によってその後の会話がスムーズに展開していきます。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 たしかに、こうした会話に正解はありません。
 大切なのは、「当てること」ではなく、「掛け合い」です

 相手が予想外の答えを返してきたら、それをきっかけに笑いが生まれる。
 その時間そのものが楽しいのです。

モテる人は「評価」ではなく「遊び」をつくる

言語化だけじゃ伝わんない』は、人に好かれる会話の本質を教えてくれます。

 話が楽しい人は、面白い話をたくさん知っている人ではありません。
 相手に正解を求めない人です

「知らなくてもいい」
「外しても面白い」

 そんな安心感があるから、相手も自然に話せるようになります。

 反対に、「ちゃんと答えて」「正しく理解して」と、無意識に相手をテストし始めると、会話は一気に緊張してしまいます。
 人を惹きつける人は、会話を勝負にしません。
 コミュニケーションそのものを一緒に楽しむ「クイズ感」をつくれる人だからこそ、「またこの人と話したい」と思われるのです。

(本記事は、書籍『言語化だけじゃ伝わんない ―― 絵を描くように「考える・伝える」技術』を元にしたオリジナル記事です。)

ヤギワタル
1981年静岡県生まれ。制作会社にて、雑誌タイアップ広告の制作進行を務めたのち、フリーランスのライターを経験。国際情勢関連の英日翻訳をやりながら、2011年からイラストレーターの活動をスタート。現在は書籍・雑誌・広告など幅広く活動中。特に、ビジネス書や新書での挿絵や図解を担当することが多く、10年以上、活躍している。
これまで、装画・イラストを担当した書籍は200冊以上。『言語化だけじゃ伝わんない ―― 絵を描くように「考える・伝える」技術』(ダイヤモンド社)が初の単著となる。