「考えがまとまらない」「何から話せばいいかわからない」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。『言語化だけじゃ伝わんない』では、その原因は「頭の中に地図がないこと」だと語られています。思考を整理するためのシンプルな方法を紹介します。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「思考整理」がうまい人
「何を考えているのかわからない」
そう言われて、困った経験はありませんか。
頭の中には考えがある。
でも、それを順番に話そうとすると、どこから話せばいいのかわからなくなる。
『言語化だけじゃ伝わんない』という本では、この問題を解決するカギは、「地図」にあると語られています。
話がまとまらない人には「地図」がない
本書では、こんなエピソードが紹介されています。
以前、人からこんなふうに言われたことがあります。
たしかに。自分でもよくわかってないんです。
「なぜイラストレーターになったんですか?」
うーん、まあ、なんとなく……ですかね。
頭の中にあるものを文章にしようとするときのことを私は、「分かれ道」にたとえます。
分かれ道があるとき、その行き先を決めるのに必要なもの。
それは、「地図」です。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より
文章は一本道です。
だから、話し始めるたびに、「どちらへ進もうか」と選ばなければなりません。
そのとき、全体像が見えていなければ、迷うのは当然です。
地図があれば迷子にならない
本書では続いてこう語られています。
洞窟の中を歩くときのように手探りをする必要もありません。
地図がなければ、話しはじめにも迷うし、話している途中で迷子にもなります。
頭の中と文章の相性の悪さを解決するのは、「地図」なのです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より
この「地図」という発想は、とても重要です。
考えを整理する人は、最初から文章をつくろうとはしません。
まず全体像を眺めます。
話す順番より先に、「何がどこにあるのか」を把握しているのです。
だから途中で脱線しにくくなります。
図解は「関係性」を見えるようにする
本書では、イラストレーターならではの視点から、さらにこう説明しています。
図解の役割は「文章だけではわかりにくい」ところをわかりやすくすることです。
なぜ図解を入れるとわかりやすくなるのか。
その答えが、「間取り図」にあります。
間取り図があるとわかりやすいのは、位置関係をパッと把握できるからです。
文章の図解もそれと同じことが言えます。
図解で描くのは、「関係性」です。
文章での説明はすべて一列に並んでしまうので、その関係性が見えにくい。
「マグロとサバとイクラは寿司ネタです。マグロとサバは魚。イクラは魚卵です」
並列関係なら、縦や横に並べる。
内側にあるものをちゃんと内側にあるものとして描く。
外側にあるものをちゃんと外側にあるものとして描く。
図は、ものの配置を描くのが得意です。
「頭の中」にある「知っていること」同士の関係を図にあらわす。
それは、私たちが文章をつくるときの役にも立つはずなのです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より
文章は、一列にしか並べられません。
しかし、頭の中では「親子関係」「並列」「分類」「因果関係」など、さまざまなつながりがあります。
図にすると、それらを一度に見渡せます。
だから、「何から話すべきか」が自然と見えてくるのです。
思考整理がうまい人は
「文章を書く前」に地図を描いている
『言語化だけじゃ伝わんない』は、思考整理の本質を教えてくれます。
考えがまとまる人は、頭の回転が速い人ではありません。
頭の中の情報を整理し、関係性を見えるようにしている人です。
文章を書こうとする前に、全体を眺める。
話そうとする前に、地図を描く。
そうすれば、「どこから話せばいいかわからない」という悩みは大きく減っていきます。
思考整理とは、考えを増やすことではありません。
頭の中にあるもの同士の位置関係を見えるようにすることなのです。
(本記事は、書籍『言語化だけじゃ伝わんない –––– 絵を描くように「考える・伝える」技術』を元にしたオリジナル記事です。)
1981年静岡県生まれ。制作会社にて、雑誌タイアップ広告の制作進行を務めたのち、フリーランスのライターを経験。国際情勢関連の英日翻訳をやりながら、2011年からイラストレーターの活動をスタート。現在は書籍・雑誌・広告など幅広く活動中。特に、ビジネス書や新書での挿絵や図解を担当することが多く、10年以上、活躍している。
これまで、装画・イラストを担当した書籍は200冊以上。『言語化だけじゃ伝わんない –––– 絵を描くように「考える・伝える」技術』(ダイヤモンド社)が初の単著となる。








